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教えて!不動産売買の常識/物件購入を決断するために必要なこと

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教えて!

不動産売買の常識

とっつきにくいイメージのある不動産の売買について不動産コンシェルジュのOrion Star Propertyのジャスミン・キム(Director of Sales)が初心者にも分かりやすく、実例を交えながら説明します。豪州では年々、物件価格が上昇しているため、レントを払い続けるか、物件を購入し資産を増やすか、今後のライフ・プランを考える良い機会となるでしょう。

物件購入を決断するために必要なこと

10年以上不動産相談を行っていると、さまざまな質問をされますが、たまにお答えしづらい場合もあります。例えば、別の不動産会社を通して物件購入をする直前の人から「この物件で良いでしょうか?」と確認を求められることがあります。不安なので背中を押してもらいたいという気持ちはよく分かりますが、その物件について十分に理解しておらず、またその人の希望条件やライフ・プランも知らない私が「この物件はお薦めです」と助言したところで、それが正しいことはまれです。

また、「今週契約なのですが、物件を紹介してくれた不動産会社とは別の会社に相談をしたところ『この物件は止めなさい』と言われたのですがどう思いますか?」という相談もあります。物件を購入した経験がある友人やそうでない知人から購入を止めた方が良いとアドバイスを受けて迷う例もあります。

物件購入の有無については、購入する本人にしか分かり得ないことなので、本来は第3者にとっては答えようがありません。それでも他者の意見を聞いて想像とは違う返答がきた場合、より一層迷ってしまうという悪循環が生じてしまいます。

初めて不動産購入、特に住居を購入する際、分からないことが多いため、事前に何をどこまで知っておくべきなのか、多くの人が不安に感じるでしょう。

物件を購入する時に自身でやるべきことは何か。それは物件購入に当たっての決断において必要なことは何かを決めることだと思います。人によって異なりますが、一般的には、希望条件の中で固守すべきところを明確にし、資金計画やライフ・プランなどをしっかりと考慮することが大切です。意外にも自身の物件購入の決断に必要な要素が分かっていない人が多いのが実情です。物件を探し始める前は意見が合っているように見えたご夫婦でも、実際に物件を見だすと「互いの希望をよく分かっていなかった」というケースも多くあります。

自分でやるべきことが明確になると、必然的に誰に何を任すべきかが見えてくると思います。私自身は、物件のハード・ソフト面共に問題があるかどうかを見極めるのはディベロッパー、ビルダー、インスペクターなどの役割だと思っているため、そういった専門家に任せるべきだと考えています。一番気になる資産性も同様です。担当者によって差が出てしまうでしょうが、必ず物件購入者自身よりも深い読みをするでしょう。「本当に信頼できるの?」と思う人でも、ぜひ一度は不動産のプロに相談してみて欲しいです。

物件購入者は購入するかどうか、その線引きをすることに集中し、不動産会社やその他の専門家は物件やその資産性を把握し、顧客にその判断材料を提供するのがベストではないかと思います。


ジャスミン・キム
NSW州不動産業者免許所持。実践的な日本語不動産セミナーを開催することで定評のある、不動産コンサルティングのエキスパート。日本人2,000人以上を含む8,000人以上の顧客の不動産コンサルティングに携わる。「自分が納得できないものはお勧めしない」をモットーに常に消費者目線で、日々市場調査に余念がない努力家。

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