ゴールドコースト・マラソン2019
男子 設楽悠太選手がコース・レコードで初優勝!
第41回ゴールドコースト・マラソンが7月6〜7日に開催された。フル・マラソンの部で、男子は前日本記録保持者の設楽悠太選手が大会新記録で初優勝。今年4月からプロに転向し、9〜10月に行われる世界選手権の代表に選ばれている川内優輝選手は13位だった。女子は、ロダー・ジェップコリル選手(ケニア)が優勝、日本勢では橋本奈海選手が9位でゴール。今年も日本人選手の活躍が目立った。優勝した設楽選手のインタビューと共にレースを振り返る。
大会の結果
7月7日の朝7時20分、サウスポートからフル・マラソンのランナーたち約6,700人が一斉にスタート。スタート前には雨がぱらつき、強風が吹く悪条件でのレースではあったが、数々の歴史的な記録が生まれる大会となった。
男子の部では、マラソン前日本記録保持者である設楽悠太選手(ホンダ)がコース・レコードを塗り替える2時間7分50秒で初優勝。続いて、今年2月に行われた香港国際マラソンで優勝したバーナバス・キプトゥム選手(ケニア)が自己新記録の2時間8分2秒で2位。3位のゼイン・ロバートソン選手(ニュージーランド)はニュージーランド記録を塗り替える2時間8分19秒でゴールした。設楽選手には優勝賞金2万ドルに加え、コース・レコードを塗り替えたボーナスとして1万ドルが贈られた。
設楽選手は序盤から淡々とペースを刻んでいたが、ユニホームでこすれた胸から出血するアクシデントがあり、35キロ過ぎで一時は他選手に先行を許してしまう。しかしその後持ち直し、最後の優勝争いでは40キロ付近で集団から抜け出し、そのまま逃げ切った。設楽選手の優勝は、日本人男子としては8度目となる。日本勢では、木村慎選手(ホンダ)が2時間12分12秒で8位。「日本最速市民ランナー」として知られている桃澤大祐選手は、2時間15分23秒で12位。そして、今年の4月からプロに転向し、ドーハで9~10月に開催される世界選手権に出場する川内優輝選手(あいおいニッセイ同和損保)は、2時間15分32秒で13位という結果となった。
女子の部では、ロダー・ジェップコリル選手(ケニア)が2時間27分56秒で優勝をつかんだ。続いてミリー・クラーク選手(オーストラリア)が自己新記録となる2時間28分8秒で2位。ナズレット・ウエルドゥ・ゲブリヒウェット選手(エリトリア)が2時間28分57秒で3位となった。日本人では9位に橋本奈海選手(三井住友海上)が2時間37分24秒でゴールした。
設楽選手「東京五輪代表選考会に向けて大きな自信に」
設楽選手は6月27日に日本選手権5,000メートルに出場して8位。その約1週間後に臨んだのが今回のゴールドコースト・マラソンだった。レースとレースの期間を1週間しか空けないことは、設楽選手としても初めてのことだった。
設楽選手はゴール後のインタビューで「とてもうれしい。トレーニングが良かったので、自信を持ってここに来た。それが、今回の結果を出すことができた理由」と語った。
また、レースの後半で一度順位を下げてしまった時のことを振り返り、「30キロまではたやすかった。スムーズに楽に走れた。37キロ地点を越えた後、先頭から後ろに下がったが、ラッキーなことに39キロ地点辺りで先頭集団が下がってきた。ただ自分のリズムでゴールまで流して走った」と話した。
9月15日に行われる、東京五輪代表選考会(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)に向けての意気込みについて聞くと、「自信を付けるためにいろいろなことをやってきたが、今回のゴールドコースト・マラソンでの優勝は東京五輪代表選考会に向けて大きな自信になった」と語った。
ゴールドコースト・マラソンを弾みにして、東京五輪代表選手選考会で設楽選手がどんな走りを見せてくれるのか、楽しみだ。