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【税とビジネス】低中所得者税控除、増額決定

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低中所得者税控除、増額決定

2025年までに進める減税政策(Tax Cut)の一環で低中所得者税控除の増額が可決されました。もともと低中所得者税控除は決まっていましたが、この金額の増額が20年の連邦予算案で上げられ、7月に正式に法律可決となりました。今期のタックス・リターン申告が始まる前は、いつ決定されるのかが話題でしたが、返金第1号に間に合いました。オーストラリア人、永住者、ビジネス・ビザ、学生ビザの人は減税、ワーキング・ホリデー(以下、ワーホリ)は17年からのバック・パッカー税重課税という何とも不公平な措置です。

この控除(Tax Offset)は、税金の計算が「税金=(収入−経費)× 税率−税控除」となるので、経費と異なり実際の税金が減ります。経費で言うと1,000ドルから数千ドルを超える金額に相当し、インパクトがかなり違います。収入により最大で1,080ドルの税控除(税金が安くなる)となるため、メディアなどの報道により1,080ドルの補助金がもらえると勘違いしている人もいるようです。しかしあくまで税控除なので別途補助金がもらえるわけではありません。減税という形でタックス・リターンを申告すると、この税控除がない場合より返金が増えます。

低中所得者税控除については下記「低中所得者税控除額表」をご参照ください。

低中所得者税控除額表

課税収入控除額
3万7,000ドルまで255ドル
3万7,001ドルから4万8,000ドルまで255ドル+ 3万7,000ドルを超えた部分の7.5%
4万8,001ドルから9万ドルまで1,080ドル
9万1ドルから12万6,000ドルまで1,080ドル− 9万ドルを超えた部分の3%

この低中所得者税控除は、既にある、課税収入6万6,667ドルまでの人がもらえる「低所得者税控除」に追加されます。つまり、例えば課税収入3万7,000ドルの人は255ドル+445ドルの税控除になり、今回から255ドル増えます。課税収入8万ドルの人は実質1,080ドルの減税です。課税収入が12万6,000ドルを超える人には影響はありません。会社経営者も、ご自身の給与に関する戦略が多少変わってきます。

特に課税収入が6万6,667ドルを超え、今までは「低所得者税控除」がもらえなかった収入ラインにいる人も課税収入12万6,000ドルまで税控除が受けられることになります。

これは永住ビザ、市民権者に加え、ビジネス・ビザ、学生ビザなどの一時滞在ビザ保持者にも適応されることになります。税法上の居住者となるワーホリも同様に税控除が受けられます。


賀谷祥平
競馬騎手、豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikayawww.ezytaxonline.com.au/ja

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