教えて!
不動産売買の常識
とっつきにくいイメージのある不動産の売買について不動産コンシェルジュのOrion Star Propertyのジャスミン・キム(Director of Sales)が初心者にも分かりやすく、実例を交えながら説明します。豪州では年々、物件価格が上昇しているため、レントを払い続けるか、物件を購入し資産を増やすか、今後のライフ・プランを考える良い機会となるでしょう。
不動産購入する場合、何から始めたら良いか
新しく始めることは何でもそうだと思いますが、どこから手を付けて良いのかよく分からないものです。そのため最初の1歩を「どう踏み出すのか」を探るため、インターネットや書籍から情報を得ることが多いと思います。不動産の購入に関しては、インターネットで「不動産」「購入」と検索すると今や2億5,400万件もヒットし、情報が多すぎて迷ってしまいます。
不動産の情報もここまで数があると、逆に多すぎて「不動産の購入方法を調べているのに、どの情報を見て信用したら良いのか分からない」と前段階で惑う人も多いでしょう。
先日、ご相談を受けた人もその1人で、さまざまな人がいろいろな方法で語るので「どの方法を選んだら良いのか」が分かりづらいとのことでした。「これで決まり!というのがあれば迷わず済んで良いのに」と笑いながら話していました。不動産購入の方法も選択肢が多いだけに悩みは尽きません。
不動産購入に当たり、抑えるべきポイントは3つあります。まずは自分の理想の不動産やライフ・プラン、資金計画といったことが挙げられます。次に、不動産の売出状況やその市場の需給関係といった要素、そして最後に自らの希望条件にその時に売り出されている不動産がマッチしているかどうかです。3つ目の要素は、主に不動産会社が担っている部分となります。
詰めが甘いと自らの不動産に対する判断基準が育たず、あやふやな判断基準のまま不動産を見てしまうケースも多くなります。
例えば、便利で静かな住環境、内装の美しさなど、誰が見ても「良いですね!」と言われる不動産は、誰からも目を引き、魅力的に映るものです。価格を気にしなければ、できれば買いたい、欲しいと思うはずです。
では、あやふやな判断基準のまま良い不動産に出合うとどうなるのか。おそらく自らが最初に決めた判断基準は雲散霧消(うんさんむしょう)し、不動産に合わせて自らの諸条件を上げていくことになってしまうでしょう。不動産に合わせたライフ・プランなどが出来上がってしまいます。それで良いのでしょうか。
価格など市場動向が分かりづらい場合は、信頼できる不動産会社の専門家に相談することをお勧めします。
ジャスミン・キム
NSW州不動産業者免許所持。実践的な日本語不動産セミナーを開催することで定評のある、不動産コンサルティングのエキスパート。日本人2,000人以上を含む8,000人以上の顧客の不動産コンサルティングに携わる。「自分が納得できないものはお勧めしない」をモットーに常に消費者目線で、日々市場調査に余念がない努力家。