クイーンズランド州の釣り情報
フィッシング・ライター:金園泰秀(YASU=ブリスベン在住)
第156回
大物は浅場を狙え
水温が下がる冬シーズンになると、浅瀬やマングローブの奥などに生息していた小エビや小魚たちが群れを成して河口付近の暖かい場所へと移動してきます。やや低い水温でも活発に活動できる脂の乗った良型の魚たちも、この餌の群れを狙って河口付近に集まってきます。
釣りでよくある勘違いが、大型の魚は深い場所で狙うということです。大きな魚は深い場所に居るという先入観から深い場所で狙う人も多いと思いますが、多くの大きな魚は餌を求めて浅い場所にやってきます。このことはあまり知られていません。
餌となる小魚の群れは、深い場所では大型の魚に食べられてしまう危険があるので、やや浅い場所に群泳して移動します。餌を追う魚は、少しだけ深い場所からその浅い場所を泳ぐ餌を見ていて、弱って落ちこぼれる落後者を待っています。
深い場所で大きい魚の前に餌を落としても、休憩や移動中で興味を示してくれないことがありますが、浅い場所で餌を狙っている魚は食い気(やる気)があるので釣りやすいものなのです。
釣り方は、潮が干潮に向かう引き潮時、水路が合流しているような水深2~3メートルの浅い場所に小型ボートやカヌーなどのアンカーを降ろして固定します。そして船尾から針に大きな餌を付けた仕掛けを下流に投げ込んで待つだけですが、仕掛けには重りを付けないか、または最小限の重さの物にして自然に流します。そして時々寄せ餌を少しだけ撒(ま)いてください。針に付ける餌は群れている小魚(ボラの子ども、へーリング、キス、エビなど)を生きたまま付けるのが最高ですが、冷凍のイワシやエビでも釣れます。
浅くて水が澄んでいるので警戒心を与えないように、なるべく細い仕掛けで狙いましょう。クロダイ、フラットヘッド(マゴチ)、エスチャリー・コッド、マングローブ・ジャック、シマアジ、スレード・フィン・サーモン(鮭科の魚ではない)などの良型が釣れてきっと驚かされることでしょう。掛かった魚をすくうランディング・ネットを忘れずに。
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