Vol.4 競技としてのクロスフィット
こんにちは。クロスフィット・トレーナーのASAMIです。連載4回目はもう1つのクロスフィットについてお話します。これまではフィットネスとしての面を中心に紹介してきましたが、今回は競技としての一面を紹介したいと思います。
CrossFit Games
フィットネス界の最強を決める「クロスフィット・ゲームズ(CrossFit Games)」という大会が毎年あります。世界中のクロスフィット・アスリートはこの大会への出場や表彰台をかけて、日々練習を重ねています。
CrossFit Gamesは、複数日程の過酷な競技大会で、世界中から予選を勝ち抜いた14~60歳以上の男女数百人のアスリートが集い、究極のフィットネス・テストで競います。予選は「CrossFit Games Open」と呼ばれ、所属のBOXなどからオンラインで誰でも参加できるので、フィットネス感覚で昨年の自分と比較するような楽しみ方もできます。本戦は米国内で開催され、ここ数年はウィスコンシン州マディソンで開催されています。
競技種目は大会直前に発表され、アスリートは未知の種目に備えて日々トレーニングを行います。クロスフィットの運動は、以前お伝えしたように、器械体操、重量挙げ、有酸素運動などから選択されます。
アスリートたちは実際の競技種目について、ほぼ何も知らされずに、マディソンに到着します。そのため、トレーニングでは、他のどのプロ・スポーツよりも幅広い運動をカバーし準備する必要があるのです。アスリートたちは競技中に順位が付けられ、数日間にわたる一連の多様な種目でフィットネス・テストを行った後、“優勝者=地球上で最も最強なフィットネスな人間”の称号を得るのです。
日本ではあまり知られていないかもしれませんが、日本からも何人か同世界大会に出場した選手がいます。
直近の2021年、男性35〜44歳の部で出場した板谷友弘選手は、「アジアからの参加者は私を含めて2人だけだった状況もあり、大会期間中には多くのアジア系アメリカ人の方々から『アジア人がこの舞台に立っているなんて、誇りだ』と声を掛けてもらった。大会そのものの規模の大きさや熱狂度もさることながら、そんな風に掛けてもらった言葉が一番印象に残っている」と話してくれました。
競技として世界で闘うトップアスリートが育つには、オーストラリアや欧米諸国に比べて日本はまだまだ環境が不十分かもしれません。これからもっと世界で闘うアスリートが日本から出てくるためには、米国のようにたくさんのサポート企業からの協力や環境を整える必要があり、私自身も企業とクロスフィットをつなげる活動を積極的に行っています。ご興味があれば、下記インスタグラムなどを通してお気軽にお問い合わせください。
ASAMI Profile
フィットネス(クロスフィット)トレーナー。オーストラリアでクロスフィットに出合い、しっかりと筋肉を付けた動ける体作り、強くてポジティブな幅広い世代の女性たちや世界観に魅了され、日本でもっとたくさんの人にクロスフィットを伝え、フィットネス習慣を付けてもらいたいと思いトレーナーに転身。現在、東京のクロスフィットBOXを中心にトレーナーとして活動中。「WELEDA」や「Eiris」のアンバサダーも務める。
Instagram: @asami_fitness