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今話題のほめて育てる教育「ほめ育」をご存知だろうか。職場や家庭などさまざまなシーンで実践でき、絶大な効果があると評判だ。「とにかくほめれば良いんでしょ」と思った人は少し待って欲しい。なぜほめるのか、どういった点をほめるのか、その基準は明確だろうか。「ほめ育」は表面的にほめるのではなく、相手のことを観察し理解した上で、その人が持つ可能性を信じて伝えることだ。そこには確固とした方針や基準があり「ほめ育」を行うことで、売り上げや成績が上がったり、人間関係が円滑になるという。「ほめ育」を提唱し、講演などを精力的に行っている原邦雄さんに「ほめ育」について話を伺った。(取材・文=内藤タカヒコ)

“ほめ育(Ho-Me-I-Ku)”を世界共通語に!
原邦雄◎一般財団法人ほめ育財団・代表理事
世界中の人たちを輝かせる! をミッションに掲げ、子どもの教育・チャリティーを行うことを目的に、「一般財団法人ほめ育財団」を設立。ほめて人を育てる「ほめ育」を世界196カ国に広げるため、日本だけでなくアメリカ、中国、インド、カンボジア、シンガポール、インドネシアなどに活動を展開。のべ100万人以上にほめることのすばらしさを伝えている。大手コンサルタト会社で活躍の後、飲食店の洗い場で4年間住み込み修行。多数の現場で培った経験と、脳科学・心理学をミックスした教育メソッドは、大人だけではなく幼児教育にも活用できるとして、国内外200社に導入され、幅広い層から好評を得ている。ハーバード大学やザ・リッツ・カールトン・ホテルでのセミナーを始め、年間200回以上の講演を行う。テレビ朝日「報道ステーション」やNHKにも出演。著書は5冊あり、英語、中国語に翻訳されている。
ほめることの大切さ
原さんが、ラーメン店の店長をしていた時のこと。アルバイトはすぐ辞めてしまい、売り上げも芳しくない。何とかしなければと自他共に叱咤する毎日の中で、ある日アルバイト店員から「店長、今月のMVPは誰ですか」と言われて、ハッとしたという。
それまではあれもダメ、これもダメとアラ探しばかりしていた自分に気がつき、その出来事を機にスタッフの良い点を見つけて、積極的にほめることを始めた。
ある日、来店した家族連れのお父さんが注文したビールが残り少なくなっていた。そこで1人のスタッフがさりげなく「ビールをお持ちしましょうか」と声を掛けた。それを見ていた原さんはスタッフをほめたのだ。
スタッフのそのひと言で来店者の滞在時間が変わり、お客も気持ち良く過ごすことができた。とても小さなことだが、このような積み重ねが、店の雰囲気を変えていく。アルバイトを辞める人がいなくなり、売り上げもアップしたという。
「店長として店のためにスタッフをほめることはあります。しかしお客がスタッフをほめることは滅多にありません。だから私はその代わりにほめます。するとスタッフは自分から積極的に、どうしたらもっと良い店になるのか考え、行動するようになりました」と原さんは話す。以来、ほめることの大切さを世界に広げていく活動を展開している。
「ほめ育」について

原さんは「人にはそれぞれ天命、使命があり、その役割を全うするための長所を持っています。それを見つけて、環境を整えること、それが『ほめ育』です」と語る。
では、単にほめることと何が違うのだろうか。例えば会社で上司が部下に対して「良いネクタイだね」とほめたとしよう。上司はほめているつもりでも、部下は何でほめられたのか理解できないかもしれない。それは、なぜほめるのかという基準がないからだ。更に、基準を作るためには方針が必要と原さんは説く。
「会社に社訓があるように、昔は家庭には家訓がありました。論語や聖書などさまざまな教えを元に、いかに行動するか、生きるかを示した方針が、かつては存在していました。このしっかりした方針があれば、ほめるための基準も自ずとはっきりします。まずしっかりとした方針を持ちましょう」と話す。
また「ほめ育」は教育なので、時に叱る場合もある。しかしほめることと叱ることは同じ基準に基づいて行われる。きちんと相手と向かい合い、どのように考え行動したのかをしっかりと観察し、基準と照らし合わせてほめたり叱ったり、適切な助言を行う。決して表面的だったり、感情的な理由から行ってはいけない。
そのため相手はなぜほめられたのか、叱られたのかをはっきりと理解することができる。特にほめることは相手を認め、その可能性を信じることなので、人間的に成長するために良い影響を与えることができる。
それは会社の中の上司と部下という関係だけでなく、先生と生徒、親と子どもなどさまざまな場面で活用できるので、実践してみよう。
きちんとほめていますか?

ほめる行為には、ほめる側とほめられる側が存在するが、一歩間違えるとハラスメントになるので注意しよう。ほめる行為は大切だが、誰がほめるのかも重要となる。
誰しも他人から認められたい欲求があるが、自分のことをよく知らない人からほめられてもピンとこず、場合によってはほめられたくない人もいるだろう。
これは、ほめる側のあり方が大事で、相手を信じていること、そしてその人が大切にしていることを認め、行動だけでなく人間性も含めてほめなければならない。日頃から相手の本質を理解しているからこそ、ほめることに大きな意味が生まれる。
また、自信を持ってほめることも大切だ。コミュニケーションでは、人に要求や要望を伝えたり、動かす時は、自分を主語にした「私はこう思う」と言う方が効果的に伝わる。ほめる時も私はあなたを評価します。ときちんと自分の考えを伝えるようにしよう。
更に自分をほめることも必要だ。論語に「徳は弧ならず、必ず隣あり」とある。他人を気にし過ぎないで、自分の役割をコツコツと積み重ねれば、自己肯定感が生まれ、地に足が着いた人間となり、周囲に理解し助力する人が現れるだろう。
自分で自身を認め、自らの役割を理解した上で、分相応の発言を行なっていれば、良好な人間関係を築いていける。
きちんとほめるためには、勉強して方針を持つこと。そうすることでほめる基準が生まれる。そして自分をほめて肯定する。相手を観察し理解し、基準を基に自信を持ってほめたり、時には叱るようにしよう。
きっと会社や家庭などに良い効果が生まれるだろう。
今後の展望
原さんは「ほめ育」を世界中へ広げるために精力的に活動している。セミナーや講演会の他に、メール・マガジンを発行したり、インターネットで情報を発信しているので興味のある人はアクセスしてみよう。
更に今後は、絵本やアニメを制作したいと言う。「この世界には196の国があります。日本から『ほめ育』を発信し、地球を包み込んで行きたいです」とその熱い思いを語る。
また、7月にはオーストラリアで初となる講演会が決定した。「部下をほめる、子どもをほめる、自分をほめる」をテーマに、ゴールドコーストとブリスベンで開催される。詳細は日豪プレス7月号や、ウェブサイトなどで告知される。ぜひ、この機会にほめて育てる教育を実践してみてはどうだろう。

●主な著書
『1日1ほめで幸運を引き寄せる 自分をほめる習慣』(すばる舎)
『たった一言で人生が変わる ほめ言葉の魔法』(アスコム)
『今すぐできる今すぐ変わる!「ほめ育」マネジメント』(PHP研究所)
『やる気と笑顔の繁盛店の「ほめシート」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)※英訳・中国語訳もあり
『売上が上がる ほめる基準』(商業界)
<「ほめ育」を詳しく知りたい人へ>
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