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【ラーメン】シドニーで一番うまい1杯はどこだ?

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長蛇の列ができた「博多ん丸」のオープン日

編集部BBKの突撃レポート
不定期連載第10回

激動のシドニー・ラーメン戦国時代
──本当にうまい1杯を求めて
(後編)

予備知識として、僕のラーメンバカ・エピソードを公開した前回「激化するシドニー・ラーメン戦争─本当にうまい1杯を求めて(前編)」では、2011年の来豪から半年ほどの間に出会ったラーメン店を自分なりの評価を交えつつ紹介した(ラーメン館、一番星、TONTON、味千ラーメン、がむしゃら、めんや)。だが、ここまではいわば序章。その後、シドニーは新店ラッシュに沸き、ラーメンをめぐる顧客獲得競争はいよいよ熾烈さを増した。前号に引き続き、記者が食べ歩いた記録を時系列で紹介しながら、その様子を紹介していこう。

 
ノースの雄「亮亭」を訪れる


「豚骨しょうゆラーメン($13. 5)」(亮亭)

来豪からちょうど5カ月ごろだろうか、同僚から「シドニーで一番うまいラーメン屋がノースにある」という話を聞いた。だが、当時はNSW州の運転免許証を手にしていなかったため、ノース方面にはほとんど足を延ばしたことがなく、訪れる機会はなかなか得られなかった。その店はシドニーに住むラーメン好きに絶大な支持を得ている人気店「亮亭」。立地はクローズ・ネストだが、レストランなどが立ち並ぶエリアからだいぶ離れており、公共交通機関を使うとかなり歩くことになる。したがって、僕が同店を訪ねたのはオーストラリア滞在が半年を越え免許を取得できるようになってからとなった。

立地の不便さにもかかわらず、長蛇の列ができていることに驚きつつ店内に入り、頼んだのは人気ナンバーワン・メニューの「豚骨しょうゆラーメン」。ひと口食し、その人気に納得。スープには豚のうまみがしっかり出ており、また、かえしもかなりこだわって作っているのだろう、しっかりとした味わいのスープに、コシのある中細麺がよく合っている。味は比較的濃いめだが、そこで嬉しいのが付け合わせの青梗菜。スープの塩気とうまくバランスを取ってくれるのだ。長蛇の列にも納得の1杯であった。

 
群雄割拠の時代、その火蓋を切った「ラーメン ずんど」


「あっさり豚骨煮干ラーメン($12. 8)」(ずんど)

今からちょうど1年前、シティのワールド・スクエアに「ラーメン ずんど」が登場。メインのメニューは「ずんどラーメン」の白・黒・赤の3種。まず最もベーシックな1杯ということで白を選ぶ。期待とともにひと口目を食べると、その男前な味にがつんとやられる。オーナー自ら日本に足を運び、新宿の人気店から引き抜いてきたスタッフとともに開発したその1杯は、豚のエキスをこれでもかと搾り出した濃厚豚骨スープ。シドニーのラーメンと言えばやはり豚骨が主流。そこに真正面から勝負をかけた形だ。

オープン当初、しばらくは店主の悩みを反映するかのように、味も二転三転したが、一定の時間をかけその味は安定しつつ向上し、製麺所から購入していた麺もいつしか自家製麺に変わった。そのタイミングで、僕は日豪プレスの人気連載「勝手にランキング隊」で同店を取り上げた。当時1位に「つけめん」「塩ラーメン」が並んだのは店としても驚きだったろう(同記事はオンライン版の「グルメ」カテゴリから見られる)。

その後、豚骨スープに魚介をブレンドした新メニュー「豚骨煮干ラーメン」が登場し現在も人気を博している。スープはあっさりとこってりから選べるが、僕は長らくあっさりをリピート。こってりでは魚介の香りが消えると思い込んでいたのだが、先日、笑顔の素敵な店員の女の子に「こってりもオススメですよ」と言われ試してみた。それぞれ濃厚な豚骨と魚介がいい意味でシナジー効果を起こし美味だった。同店は4月、シドニー・モーニング・ヘラルド紙のグッド・フード・アンダー30ドル部門で三ツ星を獲得。開店から1年を待たず、名店の称号を手に入れた。

 
巨大黒船「一風堂」上陸、めんやグループ「てんこもり」で対抗


「赤丸新味($16)」(一風堂)


セルフ式ラーメンというスタイルも話題に(てんこもり)

ある日、編集部に突然の大型ニュースが飛び込んでくる。「一風堂がシドニーに来るらしい」。ついに、日本の超人気店がシドニーに目を付けた。「一風堂」はシドニーのラーメン界を震撼させながら、昨年末CBDのウエストフィールド内にオープン。ゆっくりとお酒も楽しめる店内はスタイリッシュで、たちまちローカルの間でも人気店となった。日本人の間ではその高すぎる値段設定に非難が出つつも、やはり多くの人が足を運んだ。その味は僕が食した印象では日本の一風堂とほぼ同じ。

一風堂進出に各店が戦々恐々とする中、強気に出たのが「めんや」を経営するアイズグループ。タウン・ホール近くに「てんこもり」というセルフ式のラーメン店をオープン。一風堂と一線を画すべく打って出たのはその価格設定。なんと最安で1杯3.9ドルのラーメンを出す離れ業を成し遂げた。さすがである。ちなみにてんこもりの私的オススメ・メニューは「豚骨焦がしにんにくラーメン」。格安ラーメンとは思えぬ味にびっくりするはずだ。

 
とどまることを知らぬ新店ラッシュ「まんぷく」「一究」「博多ん丸」

冬を間近に迎えた今年4月、キングスフォードに「まんぷく」がオープン。恥ずかしながら日本人オーナーという事実を知らず最初は全く注目をしていなかったが「うまい」という噂を聞きつけ、オープンより少し遅れて行ってみた。その日は妻とともに行き、僕は「豚骨しょうゆ」、妻は「塩ラーメン」をオーダー。あまり期待していなかっただけに衝撃は大きかった。豚骨しょうゆ界の王様と言えば、家系ラーメンという人も多いだろうが、久々にその味に近い絶妙な味わいを感じたのだ。驚きつつ妻の食べている「塩ラーメン」にも箸を伸ばすとこれもうまい。妻は「ここ、一番かも」とご満悦だった。


赤味噌や八丁味噌などさまざまな味噌を独自配合した新メニュー「侍」($15. 9)(まんぷく)

「White Tonkotsu($7.8)」(博多ん丸)

「一究塩ラーメン($10.5)」(一究)

そして、ここ最近シドニー界隈を騒がせているのが、読者の皆さんも記憶に新しいだろう「一究」「博多ん丸」の注目ラーメン店2店の同時オープンだ。前号の当コラムでも紹介し、また現在もさまざまなメディアで取り上げられているこの2店に関してはここではあえて取り上げまい。皆様の舌でぜひ味わっていただければと思う。評価が定まったころにでも改めて思うところを書かせていただこうと思う。

今回、コラムでは辛辣な意見も必要であれば書こうと思っていたのだが、結局どの店も褒める結果になってしまった。だが、ここに他意はなく、単純にどの店もクオリティーが高いという結果を示しているに過ぎない。

シドニーのラーメン市場、意識の高い店においてそのクオリティーは日本のそれに達しつつあるのではないかと僕は思うが、1つ伸びしろがあるとすれば、味濃いめ、油多めのこってり系からの脱却ではなかろうか。ローカル向けには濃いめのこってり系というのがスタンダードで、そうでなければ受け入れられないのかもしれないが、日本人のラーメン・ファンとしてはそこを脱却した薄味ながら繊細な味わいのラーメンが登場し、それもまたローカルに受け入れられるシーンを見てみたい。今後もシドニーのラーメン店の栄枯盛衰を楽しみながらじっくりと愛を込めて見守っていきたいと思う。

 
(了)
 

TOPIC

郊外で孤軍奮闘する「いちまる」「ぜんや」にも注目

シティ近辺で各店がしのぎを削る中、その喧噪をよそに孤軍奮闘する2店を紹介したい。チャッツウッドにある「いちまる」とイーストウッドにある「ぜんや」だ。ともにシティから離れたところにあり、僕のアンテナには引っかからなかったところを人に教えてもらう形で訪れた。

「いちまる」はチャッツウッド界隈で人気のラーメン店。一番人気はチャーシューラーメンだ。料理長自ら「これほど手間隙をかけたラーメンはない」と豪語する20時間以上かけて作られた、キレイに白濁したクリーミーなスープは確かにハイ・クオリティー。まろやかでやさしい風味は他店と一線を画す。


「チャーシューラーメン($12.5)」(いちまる)


「チャーシューラーメン($14.8)」(ぜんや)

同店ではオーダーの際にスープの濃度を選ぶことができるが、こってり度や味の濃さなどは、指示されずともローカルのオージー、チャイニーズ系、日本人、そして性別など客によって調整して提供しているという。最近登場した新メニュー「豚骨しょうがラーメン」も変り種ながら美味。しょうが大好きの僕としてはかなり嬉しいラーメンだ。一般的にラーメンとしょうがの相性は非常に高いので興味がある人は試してみるといいだろう。

シティからさらに離れたイーストウッドで展開している「ぜんや」はロックスの老舗日本食レストラン「四季」でかつて料理長を務めていたオーナーが経営。シティでは見かけないタイプのあっさりの豚骨ラーメンがウリだ。こってり系を食べなれてしまった舌に最初は物足りなさを感るかもしれないが、ゴマの風味とあいまった控え目で上品なスープは飽きることなく、スープまで一気に平らげてしまえる。チャーシューもきゅっと締まったあっさりタイプで好み。ほかの店では見かけないもやしもトッピングされ、そのしゃきしゃき感も嬉しい。素材のうまさをじっくりと感じられる、レベルの高さを感じるラーメンだった。

<プロフィル> 編集部BBK
スキー、サーフィン、牡蠣、筋子を愛すシドニー新参者。常にネタ探しに奔走する根っからの編集記者。
齢30半ば♂ 妻あり。読書、散歩、晩酌好きのじじい気質。

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