カフェ文化が広く浸透するオーストラリア。シドニーでも数多くのカフェが点在し、店内で朝食やランチを楽しむだけでなく、朝の通勤途中においしいコーヒーをテイクアウェイし、オフィスに持って行ったり、公園やビーチでまったり飲む人の姿が至る所で見られる。そこで、本特集では、味はもちろんお洒落なテイクアウェイ・カップを提供する店に焦点を当て紹介する。(文・構成=石井ゆり子)
おいしいコーヒーやドリンク、フードやスイーツなどを味わうことができるオーストラリアのカフェの特徴は、地元のコーヒー・ロースターの豆を使用した物を提供している所や、家族や個人で経営する独立系カフェが圧倒的に多く、全店舗の約9割を占めていると言われている。一方、「スターバックス(Starbucks)」「グロリア・ジーンズ(Gloria Jean’s Coffees)」「ザ・コーヒー・クラブ(The Coffee Club)」など大手カフェ・チェーンも多数ある。

コーヒー1杯の金額はおよそ3~5ドル程度。店内ではいわゆるコーヒー・カップに入れられたコーヒーに加えて、デュラレックス・グラス(Duralex glass)と呼ばれるグラスに注がれたコーヒーも多く見掛ける。「シドニーの朝はカフェから始まる」などと形容されているだけあり、多くのカフェが、早朝6時ごろからオープンしている。そのため、近郊の駅周辺でも、早い時間から多くの客でにぎわうカフェが少なくない。通勤や通学の前にコーヒーを買い、電車の中で飲むというのが習慣になっている人もいるようだ。シドニー中心部にあるビジネス街のカフェでは、仕事前にコーヒーをテイクアウェイしたり、テラス席で飲んだりしている人の姿も多く見られる。ただし営業開始が早い分、夕方前に閉店する店も多い。
コーヒーの種類を覚えよう!
オーストラリアのコーヒーは、イタリアン・スタイルの「エスプレッソ(Espresso)」をベースに、ミルクなどとの組み合わせでさまざまな種類が提供される。カフェによって少しレシピが違ったりする場合もあるが、コーヒーには基本的に下図のように8種類ほどある。好みに合ったお気に入りの味を見つけてオーダーしよう。

苦みが強い濃厚な風味が特徴のシンプルな物

エスプレッソに少しだけフロスを乗せた物

日本のブラック・コーヒーのような味

エスプレッソに同量のミルクを加えた物

ロング・ブラックにスチーム・ミルクをプラス

フラット・ホワイトに蒸気で泡立てたミルクを加えた物

カプチーノのココア版。チョコレート風味が特徴

エスプレッソに生クリームをプラスした物

コーヒーも絶品のベーカリー
Bourke Street Bakery

焼きたての香ばしい天然酵母のパンを始め、サクサクのデニッシュや豊富な種類のタルトなどが人気の「Bourke street bakery」。サリー・ヒルズに本店を構える同店は、ニュータウンやバルメイン、ニュートラル・ベイなど、シドニーを中心に11店舗を展開。朝早くから、平日は午後6時、週末も午後5時までオープンしているのがうれしい。コーヒーの味にも定評があり、テイクアウェイのカップは同店のロゴがあしらわれた、ナチュラルなデザインとなっている。
Bourke street bakery(Surry Hills)
■住所:633 Bourke St., Surry Hills
■Tel: (02)9699-1011
■Web: bourkestreetbakery.com.au
■営業時間:月~金7AM~6PM、土・日7AM~5PM
シドニー発祥の人気店
Black Star Pastry

看板メニューの「Strawberry Watermelon Cake」が大ヒットし、ニュータウンを始め、ローズベリーやシドニーCBD、ムーア・パークに店舗を構える「Black Star Pastry」。コーヒーやペイストリー、スイーツの味はローカルのお墨付きで観光客にも人気だ。またテイクアウェイのカップは、サイズごとにデザインが違い数種類用意されているので見た目でも楽しませてくれる。また、ケーキ・ボックスもオリジナリティー溢れるデザインで可愛らしい。現在は新たにオープンしたムーア・パーク店が特に注目を集めている。
Black Star Pastry(Moore Park)
■住所:210 Bent St., The Entertainment Quarter, Moore Park
■Tel: (02)9557-8656
■Web: blackstarpastry.com.au
■営業時間:月~土7:30AM~4PM、日9AM~5PM
待ち時間が少なく味も抜群!
Cuckoo Callay

ニュータウン駅の改札のすぐ目の前に位置する同店は、テイクアウェイ専用のカウンターが設けられているため、注文から支払い・受け取りまでとてもスムーズ。深みのある風味豊かなコーヒーがビビッドなピンクが映える店のロゴがアクセントになったポップなイラストが可愛いカップで提供される。フード・メニューも充実しているので、店内でゆっくり朝食やランチを楽しむのもお薦めだ。サリー・ヒルズにも店舗もあるので、ぜひ足を運んでBlack Star Pastry(Moore Park) みよう。
Cuckoo Callay(Newtown)
■住所:BC1 Newtown Train Station, Newtown
■Tel: (02)9557-7006
■Web: www.cuckoo-callay.com.au
■営業時間:月~金6AM~4PM、土8AM~4PM、日8AM~3PM
通勤に便利なセントラル駅近く
Hatch Espresso

セントラル駅の西側レール・ウェイ・スクエアからほど近い所にある同店は、毎朝通勤途中の多くの人でにぎわう。テイクアウェイ専門のスタンド・スタイルの店舗のため、コーヒーと一緒に手軽にペイストリーやスナックが注文できる。アレクサンドリアにあるコーヒー・ロースター「The Grounds」の豆を使用している同店のカップは、鮮やかなグリーンがスタイリッシュで目を引く。シティー中心部で同メーカーのコーヒーを味わえるのもうれしい。
Hatch Espresso
■住所:10 Little Regent St., Chippendale
■Web: www.facebook.com/pages/Hatch-Espresso/539489872863537
■営業時間:月~金6AM~3PM、土・日休
イタリアン・スタイルのカフェ
Cafe Piccolo erko

アレクサンドリアに拠点を置くコーヒー・ロースター「Crave coffee」の豆を使っている同店は、ローカルの人に愛されているイタリアン・スタイルのカフェ。テイクアウェイのカップはもちろん、同メーカーの物を使用。ボリューム満点で食べ応えのあるフード・メニューが充実しており、フレンドリーなバリスタとスタッフが温かく迎えてくれる。店内が混雑している時は、コーヒーと共にフードも注文して、近くの公園などで朝食やランチを楽しむのも良いだろう。
Cafe Piccolo erko
■住所:106 Erskineville Rd., Erskineville
■Tel: (02)9557-9448
■Web: www.cafepiccoloerko.com.au
■営業時間:月・火7AM~3:30PM、水~日7AM~4PM
夜でもおいしいコーヒーが飲める
Bistro Roy’s Cafe

朝7時から夜9時まで営業している同店は、ビストロというだけあってフードのメニューが充実しており、朝食・ランチ・ディナーが楽しめることで定評がある。コーヒー豆は、コーヒー・ロースター「Colombian Connection Coffee」の物を使用。カップには同メーカーの可愛いロバがトレードマークのロゴが入っている。夕方に閉店してしまうカフェが多いシティー中心部で、夜でもテイクアウェイのコーヒーをオーダーすることができるため、チェックしておくと良いだろう。
Bistro Roy’s cafe
■住所:509 Pitt St., Sydney
■Tel: (02)9288-7888
■営業時間:毎日7AM~9PM
人気のタイ料理店によるカフェ
Boon Cafe

シドニー中心部に多数店舗展開をしている人気のタイ・レストラン「Chat Thai」が手掛けるカフェ。通常のコーヒーやペイストリーの他にも、タイ・コーヒーなどを味わうことができるため、一風変わったドリンクを試してみるのも良いかもしれない。テイクアウェイのカップは、ナチュラルなテイストのデザインが印象的。店内では、タイ風にアレンジされたモダンなフード・メニューも楽しめる。朝早くから深夜まで毎日営業しているため、好きなタイミングで気軽に訪れてみよう。
Boon Cafe
■住所:425 Pitt St., Haymarket
■Tel: (02)9281-2114
■Web: www.booncafe.com
■営業時間:毎日8AM~12AM