第14回 畢生(ひっせい)の1枚/リバーファイアー Riverfire / Brisbane
Text by Taka Uematsu / Photo by Nino Lo Giudice
本来、筆者のつたない写真かすばらしいカメラマンとのコラボのいずれかでQLD州の風景を切り取ってきた当連載。今回は、風景ではなく若干切り口が異なる、思わず「ワォ」とうなりたくなる1枚と共にお届けする。
ブリスベンに春の到来を告げる風物詩としてすっかり定着したリバーファイヤー。その一環として行われるいろいろな趣向の中でも、郊外の空軍基地から飛来するジェット戦闘機は大人気。轟音(ごうおん)と共に飛来する戦闘機が摩天楼の合間をすり抜ける、そんな非日常的な光景は観覧者だけでなく、世のカメラマン諸氏にとっても絶好のシャッター・チャンスだ。
ご覧頂いている圧巻のこの1枚は、世界を駆け巡った。豪州の航空ファンが集うFacebookページに取り上げられてから瞬く間に拡散。「いいね!」は約10万件、シェアが約5万件と凄まじく“バズった”。では、この報道写真賞クラスのこの写真が、なぜに弊コラムに掲載できるのか。その答えは、Nino Lo Giudice、この写真の撮影者にある。
長年の熱心な読者ならお分かりかもしれないが、日豪プレスや筆者のコラムに長年多くの写真を提供してくれているブリスベン在住のカメラマンのニーノこそ、この唯一無二とも言える瞬間を切り取った男なのだ。
10年前、日本人の奥さんから一眼レフをプレゼントされてから写真を始めたというニーノ。航空関連の仕事の傍らアマチュアとして活動していたが、リタイア後に写真熱が一気に加熱。ハイアマ、セミプロ、そして、今やプロ・カメラマンとして活躍するまでの成長を見せた。今回のこのすばらしい機会を捉えて、ニーノの功績をトリビュートしたいと思う。これからも、すばらしい写真を世に送り出して欲しいものだ。
Well done, Nino! keep on good work, mate!!