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面接の結果は?—セクレタリーの“ヒショヒショ話”

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第6回:面接の結果は?

 シドニーの日系企業でオフィス・マネジャー兼社長秘書の仕事をしていた時のこと。経理担当者の採用試験をすることになり、その候補者の面接があった。面接に来る人は私より年上の日本人女性で、はっきりした性格の持ち主だと言う。

 当時、社内には日本人女性社員は私だけで、他は東京本社からの駐在員男性と営業担当のオーストラリア人女性のみだった。

 経理業務の経験とスキルが豊富なその女性の面接の決め手は、私とうまくやっていけるかということを皆よく知っていた。

 面接会場に入って来るやいなや、大きい声で自己紹介。そして大きな笑い声。私は、その雰囲気に圧倒されてしまい、面接が終わるとすぐに、一緒に面接官をしたディレクターに言った。「やめましょう、この人は。我社の社風に合わないし、私は一緒に働く自信ありません」。

 しかし、何と会社はその人の採用を決定し、数日後には業務を開始することに。私は気分を悪くして、「あれだけ言ったのに、どうしてですか?」と怒っていると、「まあまあ、そう心配しないで。大丈夫ですよ、僕が思うに案外この人は三枝子さんとうまくやっていける人だと思うんですよ。肩の力を抜いて、同僚としてお迎えしましょう」とディレクターは笑った。

 それから、かれこれ20数年。当時新入社員だった月美さんとは、それ以来ずっとベスト・フレンド。何と彼女は、私にとって姉のような家族同様の存在となったのであった。

著者

ミッチェル三枝子

ミッチェル三枝子

高校時代に交換留学生として来豪。関西経済連合会、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社に勤務。1992年よりシドニーに移住。KDDIオーストラリア及びJTBオーストラリアで社長秘書として15年間従事。2010年からオーストラリア連邦政府金融庁(APRA)で役員秘書として勤務し、現在に至る

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