長年、シドニーの日系コミュニティーで活躍し、現在はNPO団体の理事として貧困国の若者支援を行う山口正人さんが現在、シドニーを発ちポーランド及びチェコでウクライナの難民支援のボランティアを行っている。山口さんから届いた現地レポートを紹介する。
<プロフィル>
山口正人
高島屋・大阪支店、パリ支店勤務などを経た後来豪。1987年オーストラリア経営大学院経営学修士号取得。ウエストパック銀行、ドミンゲス・バリー・サミュエル・モンタギュー証券を経た後、日本ブレーンセンター・オーストラリアを設立。2014年、貧困国の若者の教育を支援する非営利団体「World Scholarship Organization」を発足、理事長に就任。著書に2万部のベストセラーとなった『自分がいなくてもまわるチームをつくろう!』(明日香出版、2008年)など
<H> 今回はポーランドの首都ワルシャワ中央駅の構内にあるウクライナ難民支援デスクでの、カナダと英国の難民申請手続き支援のボランティア活動のレポートです。
以前ワルシャワ駅構内でのボランティアの申し込みをして断られましたが、国境の町メディカで荷物運びのボランティアをした実績が評価されたのか、採用されました。カナダと英国はウクライナ難民の受け入れに積極的で、到着してからの生活費やビザ発給についてオーストラリアと違いかなり優遇されます。残念ながらオーストラリア政府はウクライナ難民の特別ビザは7月14日に廃止しました。カナダ・英国の特別ビザの申し込みはQRコードでウクライナ語できるようになっています。ベテランのボランティアはその申請の手続きもサポートしています。このビザのボランティアはウクライナ人、ポーランド人、英国人、カナダ人と多くの国籍の方々が行っています。
ここからのレポートはウクライナ難民を活発に受け入れているチェコの首都プラハからのものです。プラハ・マーケットの中にあるクライナ難民受け入れセンターに行きボランティアの方々とお話しをしました。難民シェルターはプラハ・マーケットの中にあり、他に4~5カ所あるとのこと。お話ししたのはチェコ人のサイコロジストです。難民の心のケアをしている女性は最近多くの女性や子どもが精神的な問題を抱えており、その対応を行っているそうです。
チェコは人口が約1100万人の国ですが40万人のウクライナ難民を受け入れています。チェコもEUからのウクライナ難民支援の補助金の減額と政府の予算の縮小で今までと同じレベルのウクライナ難民の受け入れ活動ができないとのこと。また、ロシアの情報戦の影響でチョコ国内にある右翼団体が難民の受け入れを減らすように活動してるそうです。
プラハ駅では、ユニークな難民支援「劇仕立て」のファンドレージングが行われていました。寄付金に当たる参加料は約2,000円です。プラハ駅に来たウクライナ難民が駅で大変苦労しながら駅構内を歩き回るストーリーで、私たちもそのストーリーと同じ様に歩き回ります。主催者はウクライナから来た演劇出身のAnna Turloさんで、現地の協力を得てすばらしい音響のヘッドフォンを使っていました。
私の日本にいる友人から、「いろいろな企業がウクライナ難民支援の寄付付きの商品販売などしているのを見掛けますが1番必要なものは何でしょうか」という質問を頂きました。
メディカで知り合った中国系シンガポール人のボランティア仲間がいて、彼女は教会からそのボランティアを紹介され自費で1人でメディカに来て3カ月間いろいろなボランティアをしていました。上記の質問を彼女に問い合わせしたところ、彼女から以下のようなアドバイスがありましたので、参考になればと思い原文のまま掲載します。
If you find Ukrainian refugees in Australia and Japan,
it would be good to help them find a counsellor to process their traumatic experience
and if they are keen then to enrol into a language school to learn English/Japanese.
Good to have a community that help them to be socially interacting with others.
To prevent loneliness.
彼女の言葉は、私の今後のウクライナ難民支援のボランティア活動のヒントになりました。私のウクライナ難民支援ボランティア・レポートをお読み頂き心から感謝いたします。そして読者の皆様も何かできることからご支援を考え、そして行動して頂けませんか。どうかよろしくお願いいたします。