第168回 新嘗祭
ご機嫌いかがですか、れんです。
日本には古くから五穀(米・麦・あわ・きび・豆の5種の穀物。もしくは穀物の総称)の収穫を祝う風習があり、中でも新嘗祭(にいなめさい)は宮中で最も重要な祭事でした。日本書紀にも記載があり、例えば皇極天皇元年十一月丁卯条(642年11月16日)に「天皇御二新嘗一」と皇極天皇が新嘗祭を行ったことが明記されています。
新嘗祭は天皇がその年に収穫された新穀や新酒を天照大神を始めとする天神地祇(てんじんちぎ/天と地の神=全ての神々)にお供えします。新穀のメインは米で、亀卜(きぼく)という亀の甲羅を使った占いでその産地が決まります。その特別な米を栽培する田を斎田(さいでん)と言い、東日本は「悠紀(ゆき)」西日本は「主基(すき)」と呼ばれ、それぞれから選ばれます。
天皇は夕暮れと明け方の2回のお供えで感謝の報告を行い、自らもそれらを神からの賜り物として食します。同日に全国の神社でも行われます。また、特に天皇が即位の礼の後に初めて行う新嘗祭を、大嘗祭(だいじょうさい)と言います。令和の大嘗祭は令和元年(2019年)11月14・15の両日に執り行われました。
新嘗祭は太陰暦の下では11月の2番目の卯(う)の日に実施されていました。現在の12月上旬から1月初旬あたりです。明治になって太陽暦が採用された1873年の11月の2番目の卯の日が11月23日だったことで、翌年からその日が祝日になりました。そして、戦後の昭和23年に「勤労感謝の日」と名前を変えて今に至ります。
れん(書家/アーティスト)
アーティストとして永住権取得。作品“ふるさと”が国有財産として在豪日本国大使館蔵。豪・日・ドバイ・NZで作品展、大書ライブ、workshop多数。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に参加。シドニー総領事表彰。元号“令和” (総領事館蔵)、日立豪 “協創”揮毫。豪五輪委員会で応援大書。書道教室。LINEスタンプ販売中。
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