セントラルQLD宝石ヶ原のサファイア その1/トミヲが掘る!宝石大陸オーストラリア

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第17回 セントラルQLD宝石ヶ原のサファイア その1
Central Queensland Gemfields / Sapphire

さすがは宝石ヶ原。小粒だが、あっという間にサファイアを見つけられた! 

 VIC州とNSW州を襲った大雨が猛威を奮った今年10月中旬。QLD州内陸の町、エメラルドの空も曇りに覆われていた。ショッピング・センターで食料、水、ビールなどを積み込み、タウン・ホール前にある、BHP社から寄贈された2億5000万年前の木の化石に触れて、石探し祈願をする。さぁ、準備は万端だ。

 獲物はサファイア。そして今回は、トレジャー・ハンターにも連れがいる。助手席に豪州在住のマコト君、後部座席に日本からはるばるやって来たトモ君を伴っての宝石探しとあいなった。

今回のサファイア探しには2人の同伴者を伴った。3人寄れば……。どんなドラマが待ってるのだろうか

 エメラルドから、南回帰線上にある国道4号を西へ向かうこと30分。見えて来たのが「Sapphire Gemfields」の看板。直訳すると「サファイア宝石ヶ原」。こんなにテンションが上がる看板は他にはそうないだろう。

 この宝石ヶ原とは、セントラルQLDにあるアナキー(Anakie)、サファイア(Sapphire)、ルビーベール(Rubyvale)、ウィローズ(Willows)の4つの町の総称で、約1000平方キロメートルに及ぶ広さの範囲の地域をこう呼ぶ。

 1875年、A.J.リチャードソン氏が最初のサファイアを現在のアナキーで発見。その後、西のウィローズ、北のサファイアとルビーベールでも相次いでサファイアが発掘されるなど、この地はQLD州最大のサファイアの産地として知られるようになった。

 この一帯からは、青はもちろんのこと、緑、黄、オレンジなどさまざまな色のサファイアが採れる。“センティナリー・ストーン”と呼ばれる世界最大にして最高級のイエロー・サファイア(1979年、2020カラット)を始め、六角錐の青と黄色の“トマホーク・タイガー”(1973年、83カラット)、太陽に当てると金色の六条線が輝く黒サファイアの“ブラック・スター・オブ・クイーンズランド”(1935年、1165カラット)、オレンジ色の“オータム・グローリー”(1993年、103カラット)など、歴史に名を残す超大物、奇石も数多く掘り起こされてきた。

 新聞をよく読む人はお気付きかもしれないが、毎年1、2回、この宝石ヶ原から大物が見つかったとの記事が紙面をにぎわす。まさに、オーストラリアのサファイアの聖地と呼ぶに相応しい。

 石探しの基本は、地面から宝石を掘り起こすことなのは当然。しかし今回、悪天候の影響で地面は湿り過ぎている。そうなるととても掘り辛いので、歩きながら石を探すスペッキング(Specking)という方法をメインに探すことに。歴史的な降雨量となった今回の豪雨で地表を覆う土は洗い流され、通常よりサファイアが地表に現れやすく、見つける可能性は高い。ひょっとしたら歴史に名を残す大物を見つけることができるかもしれない。他方、洪水が発生する可能性も高く、危険な石探しにもなり得る。

 今回、同行した2人にはこの危険性をしっかり伝えてある。大物探しにはある程度のリスクが伴うことを理解した上で、2人は今回の宝石探しでの同行を希望したのだった。

天然のサファイアとはどんな物かを知ってもらうべく、アナキーの道端でサファイア探し

 宝石ヶ原に到着後、まず向かったのはアナキー。2人に天然のサファイアの原石とはどんなものか、どのような場所でどんな風に見えるのかを体験してもらうため、3人で道路脇を歩いてみることにした。至る所に小さなサファイアの原石が落ちているので、逃さず拾い集めると、あっという間に3人で50粒ほどのサファイアが集まる。

 2人は、初めて自力で見つけた天然の宝石の原石に大興奮。彼らの喜びに輝く瞳も、見つけた宝石に劣らずキラキラと輝いている。

見つけたサファイアを太陽に透かしてみると

 今回の石探し3人道中、幸先や良し。

 

このコラムの著者

文・写真 田口富雄

在豪24年。忙しい中に暇を見つけては愛用のGoProを片手に豪州各地を掘り歩く、石、旅をこよなく愛するトレジャー・ハンター。そのアクティブな活動の様子はインスタグラム(https://www.instagram.com/leisure_hunter_tomio)で確認できる。宝探し、宝石加工に興味があれば必見。前・ゴールドコースト宝石細工クラブ理事長。Email: gdaytomio@yahoo.co.jp

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