第17回 究極の夕焼け/ノース・ストラトブローク島
ブリスベンから日帰りないしは週末の小旅行の目的地として人気が高いノース・ストラドブローク島、通称ストラディ(Straddie)。何気に世界で2番目に大きな砂の島なのだが、そんなのは豆知識程度に知っていれば良い話だろう。
ストラディには、対岸のクリーブランドからフェリーで渡る。世間一般では、南北に長い島の南の先端でサンゴ海に面した海岸線が美しいポイント・ルックアウトが、この島の一番の見所となる。
でありながら、今回の1枚は、本土からのフェリーが着くダンウイッチの艀(はしけ)からのショット。6年前、当時使っていたiPhoneで撮った写真のクオリティーの良し悪しには余り触れないで欲しい。「奇麗だなぁ」とボーっと見惚れているうちに陽が落ちてしまってから慌てて撮ったが、日没から夕闇、昼夜の境目ともいう時間の良い感じを、iPhoneが持てる機能を最大限に駆使してキャプチャーしてくれた。
よく目を凝らすと、おなじみの旭日旗の意匠と同じような放射線状の太陽の光条が見えて感動したのを今でも覚えている。
かつて、本土と島を結ぶフェリーの操縦士の知人がいた。年に数度、島に行く時に船長姿に会えるのを期待していたが、結局、船上では会えず仕舞いに。初めて船上で会えたのは、彼がこの世を去り、その功績と不慮の死を悼んで船中に掲げられたプレートを偶然に目にして、手を合わせた時だった。
この写真は、ちょうど、その「再会」があった滞在の最終日。仕事でひと足先に帰るフェリーを待つ間に艀から撮ったのだった。ストラディに遊びに行きがてら、プレートをなでて、すっかりご無沙汰を詫びに行かなきゃだな。