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2023 日本国首相ほか政府要人より新年の言葉

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天皇陛下御誕生日(令和4年2月10日撮影)

御所にて【写真提供:宮内庁】

KISHIDA Fumio Prime Minister of Japan

日本国内閣総理大臣 岸田文雄

 オーストラリアにお住まいの日本人、日系人の皆様、令和5(2023)年の年頭に当たり、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 世界は歴史的な大転換点にあります。昨年には、世界がコロナ禍に立ち向かい、経済活動の正常化を

進める一方、ロシアによるウクライナ侵略が国際秩序の根本を揺るがし、エネルギー・食糧危機を引き起こすことで国際社会を新たな困難へと陥らせました。日本を取り巻く安全保障環境も一層厳しさを増す中、様々な地球規模の課題も山積しています。日本が、そして世界が、歴史的な難局に直面しています。

 歴史的な大転換点を迎える世界の中で、大切なことは、先が見えない中にあっても、未来を信じて、果断に挑戦することです。岸田内閣は、「新しい資本主義」の旗印の下で、経済対策に、また、国際的課題の解決に向けて「新時代リアリズム外交」を果敢に進めてきました。挑戦することによってのみ、未来を切り拓くことができます。

 本年、日本は国連安保理非常任理事国となり、5月には、G7議長国として広島でサミットを主催します。私は、「信頼と共感」の姿勢を大切にしながら、新しい時代を切り拓くという歴史的挑戦に、皆様と共に挑んでいく覚悟です。同時に、日本という国を誇りに思えるような外交を進めて参ります。

 世界各地では、約131万人の在留邦人の方々、380万人以上の日系人の方々が様々な分野で活躍されています。皆様の御活躍ぶりを伺うたびに、私自身、そして日本国民は大いに感動し、誇らしい思いに包まれています。どうか、今後とも、各界・各層で益々の御発展を、そして日本とオーストラリアを結びつける架け橋として世界への日本の魅力の一層の発信に向け、お力添えをいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

 皆様の御健勝と御多幸、そして一層の御活躍を心から祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。

令和5(2023)年 元旦
内閣総理大臣 岸田 文雄
(提供:内閣広報室)

HAYASHI Yoshimasa Minister of Foreign Affairs of Japan

日本国外務大臣 林芳正

 令和5(2023)年の年頭に当たり、オーストラリアにお住まいの日本人、日系人の皆様に、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。

 世界は歴史の岐路に立っております。昨年、ロシアによるウクライナ侵略等により、国際社会はポスト冷戦時代の終焉ともいうべき秩序の動揺を経験しました。この厳しい国際情勢の中、日本に求められる役割は確実に大きくなっております。日本は、この先の見通せない時代の指針として、国際法の原則に基づく「法の支配」こそが重要であると考えます。これまでの安定と成長は法の支配に基づく自由で開かれた秩序を土台としたものだからです。外務大臣として、引き続き、普遍的価値を守り抜く覚悟、日本の平和と安定を守り抜く覚悟、そして人類に貢献し、国際社会を主導する覚悟、この三つの覚悟をもって、外交を展開していきます。

 この3年間、世界中に拡大し猛威を振るった新型コロナは、社会活動に大きな影響を与え、人々の価値観に今までにない変化をもたらしました。日本を含む多くの国で実施されていた水際措置が緩和又は撤廃されつつあることに伴い、日本と各国の人的往来も再活性化しています。

 日本とオーストラリアのつながりは、様々な分野において御活躍されておられる日本人、日系人の皆様に支えられているものです。世代が変わっていく中でも、日本とのつながりをより強固なものとし、皆様が日本と現在お住まいの国との間の友情の架け橋として、また両国の文化交流の担い手として、一層御活躍いただけるよう、引き続き外務省としても、各種事業の着実な実施を全力でサポートしていく考えです。同時に、日本の平和と安定、繁栄、そして国際社会における名誉といった国益を増進させるための外交を進めて参ります。

 最後に、本年の干支であるうさぎが跳躍する如く、皆様にとって大いなる飛躍の一年となりますよう、皆様の御多幸と一層の御繁栄を心から祈念し、新年の御挨拶といたします。

令和5(2023)年 元旦
外務大臣 林 芳正
(提供:外務省)

YAMAGAMI Shingo Ambassador of Japan to Australia

在オーストラリア日本国大使 山上信吾

 新年おめでとうございます。豪州における日本の存在感を高める。この目標に向かい2022年も全力投球しました。昨年は、日豪円滑化協定の署名、二度のアルバニージー首相の訪日、岸田総理の訪豪、新日豪安保協力共同宣言の発出と、日豪関係が新たな段階に進んだ正に飛躍の年でした。

 コロナ規制が解除され豪州国内の往来がようやく正常化した昨年は、タスマニアから木曜島、ブルームに至るまで各地を精力的に訪問して日本をアピールし、人脈構築を進めました。洪水被害に遭ったリズモアを慰問したほか、ビジネス、日豪交流、文化・芸術・スポーツなど様々な分野で活躍される在留邦人の皆様のお話をうかがいました。在留邦人の方々の長きに亘るご尽力で現在の日豪の相互理解・尊敬という、真の友好関係の土台が築かれてきたことを再認識し、本年もそれを一層揺るぎないものとすべく大使館として更なる努力を惜しまない考えです。

 キャンベラでも日豪関係の重要性や日本の魅力の発信に一層力を入れました。日本の意見を積極的に発信すべくささやかな努力を積み重ねるに連れ、新聞・テレビ・ラジオで取り上げられる機会が増えたと実感しています。一層厳しさを増す国際情勢の中、安全保障、経済的威圧への対応、資源エネルギーや脱炭素、強靱なサプライチェーンの構築等、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた日豪協力は益々重要性を増しています。皆様に励ましていただいた「南半球便り」も、間もなく100号を迎えます。

 2023年も日豪関係の裾野を広げる機会が目白押しです。昨年10月には海外旅行者に日本の門戸が全面的に開かれ、豪州からの観光・ビジネス客の訪日が本格化しました。そして本年は、日米豪印首脳会合が豪州で開催されます。首脳・大臣レベルを含む活発な交流が続きます。気持ちを新たに日豪関係の促進に邁進して参りますので、引き続き皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

TOKUDA Shuichi Consul-General of Japan in Sydney

在シドニー日本国総領事 德田修一

 新年おめでとうございます。

 皆様とともに無事に新年を迎えられることを心からうれしく思います。昨年9月末にシドニーに着任して以来、多くの方々とお知り合いになる機会を頂き、様々なお話を伺うことができたおかげで、当地での勤務を円滑にスタートすることができました。心から感謝申し上げます。

 対面での会合を普通に行える時期に着任できたことは幸運でした。州政府・議会関係者及び日豪の多くの経済・文化・学術関係者との面会や行事を数多く経験できました。日豪両国の貿易経済関係は理想的な補完関係にありますが、伝統的な資源エネルギーに加え、新たな機会と挑戦の窓が当地でも開いています。水素・アンモニアをはじめとする再生可能エネルギー、西シドニー開発、高速鉄道、セントラル駅開発はその一例です。シドニー、さらにはニューサウスウェールズ州及び北部準州全体における皆様の活動を総領事館として後押ししてまいります。そして邦人の皆様が安心・安全に暮らせるよう、快適な領事サービスの提供を続けてまいります。

 日豪関係については、首脳間・外相間の活発な往来に支えられ、大きな上昇気流の中にあると感じます。昨年10月のパースでの首脳会談における様々な合意はそれを象徴するものでした。2023年は豪州が日豪米印首脳会合をホストします。岸田総理の豪州訪問、日豪米印首脳会合開催は、両国にとっての最重要の外交案件になると予想されますので、総領事館としてもしっかり役割を果たしてまいります。

 水際措置の大幅な緩和による、往来のますますの活発化を歓迎します。私も地方訪問の機会を含め、姉妹都市関係をはじめ交流・文化事業に取り組んでこられている方々とお会いし、市民間交流の大切さを実感しました。

 引き続き当地における日本の存在感を高めていくよう力を尽くしてまいります。

 2023年が皆様にとり幸多き年となることを祈念いたします。

SHIMADA Junji Consul-General of Japan in Melbourne

在メルボルン日本国総領事 島田順二

 新年おめでとうございます。新型コロナとの共存生活も今年で4年目です。長引くコロナ禍やロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化が世界に大きな影響をもたらしています。混乱の続く世界情勢ですが、日豪関係は引き続き良好です。昨年2月にはメルボルンで日米豪印QUAD外相会合が開催されました。また10月には岸田総理が訪豪し、アルバニージー首相と会談を行い、安全保障・防衛や資源エネルギー分野などでの協力を確認しました。激変する国際社会において両国が協力拡大と一層の関係強化を図ったのは大変意義深いことです。豪州でQUAD首脳会合が開かれる今年は両国関係の更なる飛躍の年となりそうです。

 当館管轄3州と日本とのビジネス関係では、昨年は日豪による水素サプライチェーン・パイロット・プロジェクトで褐炭から製造された液化水素が、液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」でVIC州から日本へ輸送され、神戸港に無事到着しました。世界初の試みでした。脱炭素社会に向けた水素関連事業の協力は、近年SA州やTAS州でも日本企業との間で積極的に行われています。水素分野の協力は昨年10月に3年ぶりに対面で東京で開催された日豪経済合同委員会会議でも取り上げられました。本年60回目を迎える同会議は、メルボルンで10月開催の予定です。また、昨今の日本企業の進出拡大を受け、アデレードでは昨年5月に全豪で6番目となるアデレード日本商工会議所が開設されました。TAS州政府は最近東京に貿易代表を置いて日本との貿易拡大に尽力しています。

 姉妹都市関係では、本年は大阪市とメルボルンが45周年を迎えます。VIC州ではホブソンズ・ベイとバララットがそれぞれ愛知県安城市、兵庫県猪名川町と提携35周年、SA州も同州とマリオンがそれぞれ岡山県と東京都国分寺市と関係樹立30周年など、両州と日本の多くの姉妹都市関係が周年を迎えます。日豪間の人の往来は昨年やっと再開されましたが、姉妹都市間における人的交流も今後活発となることを強く願っています。当館としても豪政府を始めとする日豪関係者、在留邦人の皆様と連携しながら、引き続き日豪関係の一層の強化に努力して参ります。本年もご協力とご支援をよろしくお願いいたします。

ONO Masuo Consul-General of Japan in Brisbane

在ブリスベン日本国総領事 小野益央

 日豪プレス読者の皆様、明けましておめでとうございます。共に2023年を迎えられますことをうれしく思います。

 本年1月に着任しましたときは、まだコロナの隔離措置がありましたが、その後当地の行動制限が緩和され、また10月には、日本側の水際措置も大幅に緩和されたことから、現在日本とケアンズ及びゴールドコーストを結ぶ直行便はほぼ満席状態と伺っています。ここブリスベンでも、コロナで2年間中断していた文化イベント「日本文化の日( Japan Cultural Day)」や「祭ブリスベン」が再開したほか、日本からの修学旅行生も再び訪れるようになり、今後、観光、ビジネス、留学など、様々な面で日・QLD州間の往来と交流が活発化することが期待されます。

 経済面では、鉱物資源や農産品といった日・QLD州間の伝統協力分野に加え、グリーン水素など脱炭素化に向けた分野でも日本からの投資・協力が進展しつつあることは心強い限りです。一方で、昨年6月に突然発表された州石炭ロイヤルティー料率の引上げは、資源・エネルギー分野で長年培われてきた日豪間の信頼関係に影を落とすものと言え、このため総領事館としても州政府と日本企業との対話の強化などに取り組んでいるところです。

 往来の活発化に伴い、領事サービスもますます重要になってきております。ブリスベン総領事館及びケアンズ領事事務所では、利便性のある領事サービスの提供に努めてまいりますので、御意見などございましたら、当館FacebookやTwitterにもお寄せいただければ幸いです。また、自然災害も増加傾向にあります中、安全に役立つ情報を引き続き領事メールなどで発信してまいりますので是非御活用ください。在留届をまだ提出されていない方は、当館ホームページから御提出ください。最後に、旅行者の方を含め、当地での交通事故や犯罪被害への注意も怠らないようお願いいたします。

 それでは、2023年が日豪プレス読者の皆様にとって幸多き年となりますようお祈りします。

NAITO Yasushi Consul-General of Japan in Perth

在パース日本国総領事 内藤康司

 日豪プレス読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。

 昨年10月上旬に在パース日本国総領事として着任しました内藤康司です。昨年の出来事と言えば何と申しましても10月21~22日に岸田総理をパースにお迎えすることができたことです。アルバニージー首相との日豪首脳会談の開催を通じて二国間の「特別な戦略的関係」がさらに新たな次元へと引き上げられました。

 この歴史的な進展のためご支援・ご協力を頂いた日本企業の方々、そして西豪州に定住され、困難な時代を乗り越え、長い年月をかけて西豪州の人々との友好・信頼関係を築いてこられた全ての方々に対し、あらためて心より御礼申し上げます。

 エネルギーと鉱物資源の安定供給、安全保障協力、そして新たな脱炭素分野のいずれにおいても存在感を高めている西豪州の州都が、日豪首脳会談の開催地として選ばれたことの重みを感じています。西豪州のプロファイルは高まり、各分野に貢献されるビジネス関係でも日々新たな動きがあると意を強くしております。他方、ビジネス面の懸念事項につきましては総領事館として決して気を緩めることなく申し入れ等、粘り強く対応して参ります。

 本年も岸田総理ご訪問の成果をさらに前に進めて行けるよう、各分野の日本企業の皆様、文化・教育面で貢献頂いている在留邦人、定住者の皆様にご教示を頂きながら、積極的に行動して参りたいと存じます。新型コロナは決して収束したわけではありませんが、日豪双方で人の移動規制が緩和され、人的交流が活性化しつつあります。

 日豪間で活躍される在留邦人の方々、旅行者や留学生の方々を含め、パースで暮らす方々の滞在が安全かつ快適なものになるよう領事サービスを行って参ります。お気づきの点等ありましたら、是非お気軽にご連絡・ご相談を頂きますようお願い申し上げます。

 2023年が皆様にとり、素晴らしい年となりますようお祈り申し上げます。

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