Styling vintage kimono in Melbourne
気軽に楽しむ紬の着物─きもの日和
Wardrobe: Kazari + Ziguzagu (W: kazari.com.au)
Stylist: Sala Okabe (W: salaokabe.com)
Photographer: Rina Kakioka (W: rinasmilephotography.com)
Model: MJ instagram: @mj.babe
着物というと、どうしても振袖など晴れの日に着る非日常着をイメージしてしまいがちですが、和服の世界では紬(つむぎ)と呼ばれる、デニムのワンピースのように、カジュアルなお出掛けに最適な物があります。
紬とは紬糸で織られた絹織物のことで、蚕(かいこ)の繭(まゆ)から紡いで、よりを掛けて丈夫な糸に仕上げて織った物です。ほっこりとした素朴な風合いなので、気負うことなく普段の洋服感覚で気軽に楽しめます。
紬の歴史はその昔、養蚕農家が商品にできなかった難のある繭糸の真綿を紡いで、自分たちの着る物を織っていました。それゆえ、あくまでもフォーマルな場所では着られない普段着扱いではありますが、気の遠くなるようなたくさんの手作業の工程から、独特の光沢とハリのある生地が生まれます。現在はその伝統技術が高く評価され、多くの着物愛好家に親しまれています。
今回のコーディネートは山吹色とライトグリーンの軽やかな色合いの紬に、ポイント柄が可愛い白地の名古屋帯を合わせました。半衿も素材感を合わせた刺繍衿を持って来ると、白衿の時よりもずっと着物のおしゃれ上級者感が出ます。同じトーンと合わせたピアスも合わせれば、さわやかな紬の普段着着物コーデの完成です。現代の普段着物では洋服感覚でイヤリングを合わせたり、自分なりのおしゃれを楽しむ人が増えています。
着物デビューしたいけれどいきなり礼装は難しいかな? と思う人でも、紬ならちょっと敷居が低くなるかもしれませんね。
Columnist
Sala Okabe
着物の着付け、スタイリング、着物レンタル及び販売をする着物スタイリスト。インスタグラムなどで新しい着物スタイルの提案や海外で着物を楽しむアイデアを紹介している。Instagram: @kimono_salaokabe