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Special Education(特別支援教育)について/オーストラリア教育あれこれ

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Q:子どもに何らかの障がいがある場合、普通の学校に通うことはできますか? サポートがあるとしたらどのような支援が受けられるのですか? (シドニー在住=30歳女性)

 質問者のお子さんが障がいをお持ちなのか、またどのような障がいか分からないのですが、今回はNSW州における「Special Needs Education」の概要についてお話します。

 障がいのある生徒(students with disability)には、できることと困難なこと、障がいの程度の差など1人ひとり異なり、また、さまざまなサポートのニーズがあります。学校は、それらの生徒のために、教育、学習、評価活動を調整する必要があるとしています。

 障がいのある生徒がその他の生徒と同様に公平に教育にアクセスし、教育に参加することを支援するために、「The collaborative curriculum planning process」というものを通して、それぞれの子どもに合ったカリキュラムや評価に関する調整などが決まりす。障がいの定義などについては、「The Disability Discrimination Act 1992」をご参照ください。

サポートを受けるための手順
1. まず、生徒に関する重要な知識と理解を持っているチームが作られます。チームは、両親/介護者、教師、及び生徒の生活の中で重要な個人、そして生徒自身です。

2. 情報収集。生徒のヒストリーを両親/介護者から聞き取り、医療やその他の専門家からレポートや障がいに関する情報を集めます。

3. 次はチームのメンバーが生徒の長期的な目標についてオープンに話し合います。収集した情報を分析し、生徒の個別のニーズを満たすために必要な調整、またはサポートについて相互理解を深め、継続的に支援できるようにします。

4. 共同ディスカッションで得られた合意を文書化し、必要なトレーニングや機器などのリソースを特定しサポートをプラン通りに実行します。

5. プランの観察とレビューのためのプロセスの時間を作り、調整とサポートが有効に働いているか、プランが生徒のニーズを満たしているかどうかを評価するために、チームで継続的に協議したり、データを使用したりして、進捗状況を学校に通知します。

 お子さんに何らかの障がいがあるのであれば、入学する学校の校長先生、就学中の学校の担任教員に相談することが一番でしょう。お子さんに特別なサポートが必要な場合は、上記の手順でお子さんに合ったサポートが受けられるはずです。NSW州以外の方は、NSW州の概要を参考にお住まいの州の教育庁にお問い合わせください。

■The Disability Discrimination Act 1992

障害の定義とNCCDカテゴリー/全国的に一貫したデータ収集

Web: https://www.nccd.edu.au/wider-support-materials/definitions-disability-and-nccd-categories

回答

内野 尚子

在豪26年。デイケア、プリスクールAuthorizedSupervisor、補習校の教師兼代表を経て2007年UniversalKIDS設立。19年よりオンラインで保護者や教師向けのバイリンガル教育や子育てアドバイスも行なっている。
Web: universalkids.com.au

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