Text&Photo by Taka Uematsu
サンシャイン・コースト、バダリムのパイオニア・コテージ
娘のフットボールの遠征で、しばしばサンシャイン・コーストを訪れる。ブリスベンから車で1時間半掛けて行くのは、バダリム(Buderim)というサバーブのフットボール・クラブ。試合1時間前にウォーミングアップする娘を降ろしてからキックオフまでの時間がフットボール・ダディに許された数少ない自由時間だ。
バダリムの中心は小高い丘にある。オーストラリアでは、金持ちは高台かウォーターフロントに住みたがるのが常。この高台の街も、御多分に洩れず大邸宅が目に付く。
林業と砂糖の生産で栄えた街自体の歴史は古く、近郊にあるザ・ジンジャー・ファクトリーでもよく名を知られている。
筆者が訪れたのは日曜の昼下がり。街の中心を走る道路の両脇にはカフェが軒を連ねて、人びとが思い思いの休日の午後を楽しんでいる。そんな彼らの装いが総じてパリッとしているのが、そのサバーブのキャラクターを言わずもがなに語る。
この1時間は、実は当連載の貴重なネタ探しのチャンスでもある。何の気なく車を走らせていたら視線がある標識を捉えた。”パイオニア・コテージ”という名前からして文化財の香りプンプン。標識に従い右折して車を停めると、目の前にはいかにもという感じの建て物。相変わらず、ネタを嗅ぎ分ける嗅覚は衰えていない。
あいにく休館日で中には入れなかったが、案内板によれば、バダリムでも現存する一番古い建物の1つなんだと。赤い屋根にちょっとくすんだ茶色の壁、築140年ほどのなんてことない建物なのだが、何だかイイ感じなんだな。
この街、まだ、他にもネタになりそうなことがあるので、また次回もお会いしましょう。