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蜘蛛合戦/書家れんのつきいち年中行事 第175回

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 ご機嫌いかがですか、れんです。

 毎年6月の第3日曜日に鹿児島県姶良(あいら)市加治木町で「加治木蜘蛛(くも)合戦」が開催されています(3年間中断したが今年は開催)。

 闘鶏や闘犬など動物同士を戦わせて見世物にするブラッド・スポーツの歴史は日本でも古く、おんどりを戦わせる鶏合(とりあわ)せは、奈良時代の初めに唐から伝わり、8世紀後半に編纂(へんさん)された日本書紀にもその記載があるそうです。また、土佐闘犬は12世紀ごろには行われていたようで、鳥獣人物戯画の中にその様子が記されています。

 加治木の蜘蛛合戦は安土桃山時代の朝鮮出兵に際して島津義弘が兵士の士気を高めるために始めたと言われています。





 合戦に参加するのは体長20~30ミリで腹部に黄色と黒の横縞模様があるコガネグモの雌で、大会の1カ月ほど前に採集され、各個人の庭や屋内で飼育されます。脚が長く、産卵直後の蜘蛛が強いそうで、3日前からエサが与えられずに合戦当日を迎えます。

 高さ1.5メートルの軸棒から水平に張り出した横棒が戦場です。横棒の先端に「かまえ」と呼ばれる蜘蛛を、そして軸棒側に「しかけ」と呼ばれる蜘蛛を待機させます。両者が糸を棒に付けた後に仕掛けの蜘蛛を追い立てて開戦となります。

 相手の尻に糸を掛けたり、尻に噛み付いたり、棒から落としたり、棒からぶら下がった相手の糸を切ったりすれば勝ちです。殿中の侍のような裃姿(かみしもすがた)の行司が戦いを取り仕切ります。

 1996年には選択無形民俗文化財になっています。

このコラムの著者

れん(書家/アーティスト)

れん(書家/アーティスト)

アーティストとして永住権取得。作品“ふるさと”が国有財産として在豪日本国大使館蔵。豪・日・ドバイ・NZで作品展、大書ライブ、workshop多数。ハリウッド映画『The Wolverine』製作に参加。シドニー総領事表彰。元号“令和” (総領事館蔵)、日立豪 “協創”揮毫。豪五輪委員会で応援大書。書道教室。LINEスタンプ販売中。
Web: renclub.net / Email: renclub@gmail.com / 動画: youtube.com/user/renclub





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