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「Special Needs(特別支援)」幼児期編/オーストラリア教育あれこれ

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 先月まで2回にわたり、学校現場において何らかの障がいを持つお子さんのための教育上のサポートについてお話ししましたが、今回は幼児期のお子さんへのサポートについてお話しします。

 特別支援が必要なお子さんとは、以下のような状況または問題を抱えているお子さんです。

・障がいまたは発達遅延がある
・問題行動がある
・医療的、精神的な問題を抱えている
・何らかのトラウマを抱えている 
・文化的、言語的な背景を持つ(移民して間もないお子さんなど) 
・避難民

 幼児教育機関での特別支援は「インクルージョン支援プログラム(The Inclushion Support Program)」の下、行われます。このプログラムでは、カリキュラムの決定プロセスにおいて、全ての子どもたちの文化的、社会的及び言語的多様性(学習スタイル、能力、性別、障がい、家族の状況や地理的状況など)が考慮されます。

 手順としては、まず希望のデイケアまたはプリスクール、地域のカウンシルでお子さんのサポートが必要であること、そしてお子さんの現状や興味、希望なども伝え相談しましょう。幼児教育機関はサポートが必要なお子さんを優先的に受け入れ、プログラムや物理的な面からサポートできるよう用意しています。

 サポートは「The Inclusion Agency」と呼ばれる専門機関と一緒に、金銭面も含めた包括的な計画が立てられます。そこでは、お子さんの現時点での能力を考慮し、専門家の介入が必要な場合はアクセスできるようにします。





 その他、短期または長期でエクストラのエデュケーター(補助員)を付けたり、デイケアの費用を援助したり、クラス全員を含めた特別なプロジェクトを計画したりします。

 エクストラのエデュケーターとは、私の住む地域では「Children Centre Educator」と呼ばれ、カウンシルに登録している人材が必要な幼児教育機関に派遣されます。

 1対1で一定期間同じ人がサポートしてくれるので、特に小さいお子さんには安心です。

 例えば、移住して間もなく英語ができない人などは、教育システムも違いますし、お子さんだけでなくご両親もとても不安だと思います。エデュケーターには日本人もいますので、通訳として付いてもらうだけでも安心です。

 何か不安なことがあれば、センターのディレクターやカウンシルに相談してみましょう。

■支援プログラムについて

Web: www.education.gov.au/child-care-package/inclusion-support-program

回答

内野 尚子

在豪26年。デイケア、プリスクールAuthorizedSupervisor、補習校の教師兼代表を経て2007年UniversalKIDS設立。19年よりオンラインで保護者や教師向けのバイリンガル教育や子育てアドバイスも行なっている。
Web: universalkids.com.au

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