執筆者=チョーカー和子/ランゲージ・ガイド
今年のアーチボルド賞受賞者は歴代最年少受賞者の1人となったシドニー在住アーティスト、ジュリア・ガットマンが、作品「Head in the sky, feet on the ground」で初入選を果たし、同賞を受賞。賞金10万ドルを獲得しました。
同賞展は、週刊誌「ブレティン」の創刊者アーチボルド氏が1919年に、芸術、文学、科学の分野で活躍したオーストラリアの著名人を後世に残す肖像画展のために、遺産の10分の1を使うように遺言を残したことから、1921年に始まりました。
同賞はその長い歴史の中で、時々の社会情勢を映し出す肖像画展として多くの話題を提供し、裁判沙汰になったこともあります。
肖像画は画家、音楽、映画、作家、政治、スポーツなど幅広い分野から出ていますが、今年は全応募作品949点の中から入選した57点の内、画家をモデルにした作品が1番多く、24点でした。
優勝作品は、2021年ユーロビジョン・ソング・コンテストに豪州代表で出場したシンガー・ソングライター、Montaigneをモデルにし、エゴンシーレの「膝を曲げて座る女」(1917年)を模した物。背景は絵の具で描き、中心部分は友人からもらった古着、美術教師時代に使っていたエプロン、ジーンズなどをアップリケした作品です。
■アーチボルド展日本語ガイド・ツアー
日時:7月9日〜8月27日の日11AM〜
集合場所:地下の展覧会場入り口
※混雑が予想されるので入場券購入はお早めに、サイトからも購入可。※本館ハイライト・ツアーは金11AM〜、新館ハイライト・ツアーは日1PM〜
Art Gallery of NSW
ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館。常設展入場無料。本連載は美術館の日本語ボランティア・ガイドが担当。「件名:Japanese Tour」でEメールでの日本語での問い合わせ可。
Web: www.artgallery.nsw.gov.au
Email: volunteerg@ag.nsw.gov.au