『ひとすじの愛』『穣の一粒』など数々の名作を生み出したオーストラリア在住の作家・松平みな氏の『藤田サルベージ 日本の戦後復興・日豪親善に大貢献した藤田柳吾氏と家族』(セルバ出版)が刊行された。
同書は、第二次世界大戦(太平洋戦争)後の、日本の復興に最も貢献した、藤田サルベージ社長・藤田柳吾氏とその家族の生涯が描かれている。
──太平洋戦争の初期、昭和16年(1941年)12月8日、ハワイのパール・ハーバーを空爆後、日本海軍は、連合軍の軍艦が集結しているオーストラリア・ダーウィン湾を空爆した。
沈んだ艦船は戦後そのままで、湾内の航行にも不便をもたらし遂に引き揚げを余儀なくされ、任務を引き受けたのが、艦船を沈めた国、日本の「藤田サルベージ」の藤田柳吾だった。
その技術の高さと従業員120人の団結のもと、その偉業を昭和34年から36年(1959年~1961年)までの2年半の間に成し遂げたのだ。
その仕事ぶりを見物するオーストラリア人の間に、敵愾心いっぱいの初期に比べて少しづつ親しみと仕事ぶりに対する尊敬のような感情が表れ、ダーウィンの街に友好の日豪親善が育まれていった。
実際に合った出来事をベースに、著者自らダーウィンを訪れ資料集めをするなど情熱が込められた作品となっている。
同書は、アマゾンや紀伊國屋書店シドニー店などで購入できる。