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仕事や人間関係に大きな影響を及ぼすファクターとして昨今注目を集めている「心の知能指数」と呼ばれる「EQ(Emotional Intelligence Quotient)」。本記事では、EQが高い人の特徴、EQを高める人材育成法、EQにより発揮されるリーダーシップなど、その重要性についてコーチング・サービスを提供する「BrainMaid」の渡邊扶美子氏に話を伺った。
Profile
Fumiko Watanabe
BrainMaid株式会社代表兼コンサルタント。MBA(Global Business / Alliance Manchester Business School)を取得し、国際コーチ連盟認定コーチ、SHRM/HRCI認定コンサルタントとして活躍。消費材・製造・IT業界で人事部長として組織・人材の育成に長年携わった。現在は自身の経験を生かし、コーチングを通じて人材育成をサポートしている
──EQとは、具体的にどのような能力を指すのですか。
EQは、1990年ごろに米国の心理学者、ダニエル・ゴールマンによって提唱された理論です。心の知能指数とも呼ばれ、自分の気持ちや感情を理解して自身で管理・コントロールする能力のことを指し、働き方が多様化する現代のリーダーに必要なスキルと言われています。
私たちは、日々感情に支配され生活していますが、感情に左右され過ぎると、自分の本来の力を発揮できなかったり、不完全燃焼になってしまったり、失敗の原因につながる可能性があります。感情は理性と対立するものとして扱われ、感情的になることはあまり良くないことだと言われます。しかし、私たちが行動するためには感情が必要であり原動力にもなるため、なくすことはできません。
では、私たちが感情を自分自身でコントロールできるとしたらどうでしょう。そこで重要なのがEQです。例えば、ビジネスの場でEQを活用すると「高いモチベーションをキープできる」「ビジョンを共有しやすい」「ストレス耐性がある」「リーダーシップがとれる」など、さまざまな効果が得られます。EQを高める、つまり感情を自分で管理・コントロールすることができれば、社員同の活発な意見交換や創造性を高め、生産性の向上につながるなど、ビジネスにおいてさまざまなことがスムーズに進むようになるのです。
──自分自身でEQを高めることができるのでしょうか。
EQは、意識的にトレーニングすれば一定スキルとして高められます。先天的な要素が強いIQ(Intelligence Quotient)と異なり、EQはスキルとして活用方法を知ることで、どなたでもある程度は高められるため、さまざまな研修やワークショップが存在します。
EQは、自己認識(Self-Awareness)、自己管理(Self-Regul ation)、社会認識(Social Awareness)、共感力(Empathy)、社会スキル(Social Skill)で構成されており、全体的なEQのスキルは、下記の方法で高めることができます。
●マインドフルネス(呼吸法)を取り入れる
● 健康的な食事、水をたくさん飲む、アルコール摂取を制限する
● 落ち着く時間を作る(リラックスできる時間を作りストレス・レベルを減らす)
●定期的に運動をする
●7~8時間の睡眠をとる
●仕事以外の楽しむ時間を作る
●日記をつけて自身の行動を振り返る
●1人の時間を大切にする
●ワークライフ・バランスを整える
一般的なものばかりに見えるかもしれませんが、健康的な生活を送ることが、ストレスを軽減し、EQの向上に必要なエネルギーを蓄えるための鍵となるのです。まずは自分の習慣を振り返ってみるところから始めましょう。
──ビジネス・シーンや職場におけるEQの重要性について伺えますか。
職場においてEQが及ぼす重要なポイントは、①パフォーマンス ②コミュニケーション ③意思決定です。
自分自身のEQが高い、もしくはEQが高い人と一緒に働くことで仕事に対する満足度が高まるだけでなく、仕事のパフォーマンスにも大きく影響すると言われています。EQが仕事の満足度に関係していることはよく知られていることですが、仕事のパフォーマンスを向上させることもさまざまな事例によって示されています。
そして、職場内の円滑なコミュニケーションは、共通のビジョンを持ちプロジェクトを進めて行く上で必要な要素です。EQが高いと、他人をより理解しコミュニケーションを取れるようになります。そうすると、職場で人間関係に悩んだりストレスを感じたりすることが少なくなり、トラブルや離職を防ぐことも可能になります。更に、EQを高めてコミュニケーションが円滑になると、職場における生産性と効率の向上につながっていきます。
任されたプロジェクトで何か意思決定をしなければならない場合、特にチームや企業に大きな影響を与えるような意思決定において不安はつきものです。意思決定の前に不安の原因や効果的な対処法を理解できていないと、リスクを取りすぎたり、あるいはリスクを取りきれなかったり、バイアスが掛かり判断が鈍ってしまったりすることがあります。そのような状況において高いEQを持つ人は、感情と事象の因果関係をきちんと理解し、スムーズに意思決定することができるのです。
異なる経歴や多様な考え方を持つ人が集まって働く企業において、EQは職場のさまざまな問題を解決する手段となり得ます。そして、現代のリーダーにとってはますます欠かすことのできないスキルになってきています。EQを高めるほどリーダーは自己認識を深め、他者との有意義な関係を築くことができます。効果的なコミュニケーションの取り方、ストレスの多い状況での冷静な対応や判断、チーム・メンバー間の関係の築き方はいずれもリーダーシップには欠かせない要素です。
EQの高いリーダーは、自分自身やチーム・メンバーとのつながりを深め、理解を深めることで、より良いコミュニケーションと動機付けを行い、正しい判断で導いていくことができます。それは、特に、コロナ禍を経て働き方が多様化した現代の職場環境では非常に重要であり、リーダーは自分自身の感情を管理し、他者の感情に生産的かつ建設的に対応する必要があるからです。
──EQは、心身と社会的な健康を意味するウェルビーイングやサステナビリティーにも大きく関連する要素だと伺いました。それはなぜですか。
過去をさかのぼると、私たちはさまざまな産業革命を経て技術革新と共に現在まで発展してきまた。その過程において人も同時に発展してきたと言えます。第一次産業革命では、人は産業を支える「筋肉(muscle)」として、肉体的な労働による奉仕で社会を支えてきました。第二次産業革命では「脳(brain)」として、ホワイト・カラーと呼ばれる職種が大頭していき、大きな革新に関与しました。
そして現在における第三、第四産業革命では「心(heart)」としての対応が求められるようになっています。AIやデジタル化の躍進により、多岐にわたる業界や職種が侵食され始め、先行きの不確実性が高まる中において、私たちはより人とのつながりやエンゲージメントを高め、お互いを受け入れ理解し合うことで心身のバランスを保ち、持続的な成長をそれぞれが可能にしていく環境を形成していくことが重要になります。EQは、人と人との関係構築においてとても大切な役割を持っており、現在、私たちにとって必要なウェルビーイングや持続可能な自己の成長には欠かせない要素となっているのです。
──近年、EQスキルを磨くことができるコーチングの需要が高まっていると伺いました。
EQは意識的にトレーニングをすれば、誰でも一定のスキルとして高めることができます。しかし、EQは目に見える形での評価がしづらく、多くの人がきちんと理解し職場などで生かせているとは言えないのが現状です。
そこで、お勧めなのがコーチングです。コーチングでは、自分自身の意識を喚起し、発見を行い、新しい視点を学び、自分自身の気づきを内面から引き起こしていくことを可能にします。その自己発見と学習のプロセスが、思考の持続的な変革とさらなる進歩、そして成長につながっていきます。
研究によると、EQ が高いほどマネジャーに大きなパフォーマンスの優位性を与えることが分かっています。実際、卓越したパフォーマンスを予測する上で、EQは認知能力の2倍の重要性を持っていると言われています。また、トップ・リーダーの「スター・パフォーマンス」の85%以上を感情的・社会的知能が占めているという研究結果もあります(Daniel Goleman、Hay Group)。
組織にEQの高い人がいることで、仕事の満足度が上がるだけでなく、仕事のパフォーマンスにも大きな影響を与えます。調査では、既存の学習プログラムのカスタマイズ、採用プロセス、人材の採用と報酬、テクノロジーとデータの活用などにおいて、EQへの持続的な投資を行い、高いEQの文化を構築した組織は、収益、生産性、コスト削減の面で2.2~4.4倍のROIを得ていると計算されています。
また、オンラインによるデジタルなコーチング・アプローチが、これまで上級管理職から上の階層が優先されていたコーチングを、より幅広い従業員に行き渡らせるようになりました。それらはコーチングの需要を高める一因となり、企業投資の増加を加速させています。
──最後に、EQスキルを磨きたい方々に向けてアドバイスやメッセージをお願いします。
コーチングは、全てのリーダーや組織にとって、成長を持続させるために不可欠なものとなっています。不確実性の高い複雑な環境の中で、私たちのマインドや働き方は、より自己の成長する能力を広げるという新たなフェーズへとシフトしています。自分の信念に上限を設けず、進み続けることはプロフェッショナルなキャリアのあらゆる場面で、特に転職や退職、定年という移行期において重要です。
私たちは皆、日常生活の中で何らかの役割を持っていますが、キャリアの各段階において、どのようなポジティブなことが可能なのか、自分自身がオープンになり、それに耳を傾けてアクションを取ることができれば私たちはより良い選択をすることができます。そして、自身に訪れる変化を明確にマネージすることができ、自分自身の人生を持続性とウェルビーイングと共に築いていくことができると思います。
BrainMaidが提供するエグゼクティブ・コーチング・サービスでは、コーチングを通してクリエイティブかつ革新的にチームや人を率いていくために必要なリーダーシップを養うことができます。ICF(国際コーチ連盟)のコーチング・プロセスに沿った完全オーダーメイドのプログラムは、判断や言動が組織全体にどのような影響を及ぼすかを予測する力や、戦略・ネクストアクションに対して必要となる思考法など、リーダーが一歩先を行くために必要なものばかりです。
先述したように、コーチングはEQを高めていくためのプロセスです。まずはこのEQについての理解を深めてもらいたいと思い、BrainMaidは、コーチング前の簡易EQ診断を導入しました。EQは5つのコンピテンシー(自己認識、社会認識、社会スキル、モチベーション、共感性)で構成されています。それに沿って自分自身のEQのレベルを知ることは、自己認識の第一歩につながると考えたからです。事前に自分自身の強みや弱みを知ることで、コーチングにおけるゴールとフォーカスがより明確になるため、ぜひお試しください。
BrainMaid株式会社
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