Text&Photo by Taka Uematsu
ケアンズ空港
ケアンズ空港に降り立つのは、基本、日本行きの乗り継ぎの時だ。今回の急な帰国でも、ケアンズ経由で飛んだ。基本、カンガルーの系列の星印にしか乗らない。たまに、とんでもない遅れを生じたり、はたまた飛ばなかったりするが、いつも変わらず星印だ。
ケアンズ空港で思い出すのが、7、8年前のある経験。乗り継ぎのチェックインの列に並んでいたら、同世代か少し若いくらいの同胞男性から声を掛けられた。当時、日豪プレス本誌のフットボール連載でも今みたいに顔出ししていなかったのに「いつも読んでいますよ」と。
家族連れだったこともあり、「ありがとうございます」と返すのが精一杯で、どうして筆者と分かったかは聞けず仕舞い。もしや、どこかで会ったことがあるのかと必死に記憶の糸をたどっても思い出せなかった。どこで誰が読んでくれているか分からないものだなと、改めて再認識させられたものだ。
ケアンズ空港では、来豪直後のころの友人と劇的な再会を果たしたこともあったし、有名な某ジャーナリストに出くわしあいさつを試みたことなんかもあった。小さな田舎の空港は、その利用のたびに何かしらのドラマを演出してくれた。
しかし、どうやら、今回が乗り継ぎでのケアンズ空港は最後になりそうだ。というのも、星印のブリスベン直行便が復活したので、わざわざ1時間ドライブのゴールドコースト便か、数時間の乗り継ぎ含みのケアンズ便かの選択の必要がなくなる。
ゴロゴロとスーツケースを転がしての500メートルほどのターミナル移動も最後と思えば苦行に感じなかった。
ケアンズ空港、ありがとう、また会う日まで。