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腕の見せどころ/セクレタリーの“ヒショヒショ話”

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第16回:腕の見せどころ

 秘書の仕事は、急な対応が多い。上司が急病で仕事に出れなくなった時、その朝にどう対応するかが、秘書の腕の見せどころと言っても過言ではない。

 病気は予期なくなってしまうもの。その日のスケジュールを追って、ミーティングごとに主催者へ連絡、ただ欠席を連絡するのではなく、すぐに代理出席できる部署代表者を確保して申し出る。後日に時間を変更できる会議はそのようにする。

 私の上司の場合、いつも2〜3週間先までスケジュールが埋まっているので、後日といってもなかなか日程を動かすのは至難の業。それからは、交渉力。他の部署の部長や秘書と可能な日程の交渉を行う。それでもダメな場合は、会議以外の方法を提案する。

 そうやって、上司の病欠で始まる日は、スケジュールを調整するだけで気が付くともう午後になっていることが多い。上司宛てのメールを代理で返信するのも、この日の私の仕事。どれだけ早く対応できるか、そして上司に心配を掛けないように報告できるかがカギとなる。

 ここで重要なのは、職場の人びとの日頃のコミュニケーション、誰がどの会議、要件の代理に匹敵するのかを知っていないとアクションが起こせない。

 留守を守るとはこういうことである。予定された上司の不在の対応はできて当たり前。緊急時の対応、頭の切れが、秘書の本当の値打ちを決めると言えるのである。

ミッチェル三枝子

ミッチェル三枝子

高校時代に交換留学生として来豪。関西経済連合会、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社に勤務。1992年よりシドニーに移住。KDDIオーストラリア及びJTBオーストラリアで社長秘書として15年間従事。2010年からオーストラリア連邦政府金融庁(APRA)で役員秘書として勤務し、現在に至る





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