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「テイクアウェイする」「キャッチアップする?」在豪日本人が使う新語?/オーストラリア弁(新方言)を探せ 第16回

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 ゴールドコーストの調査で、在豪日本人が使う「~する」という形の単語の中で最も多かったのは「テイクアウェイする」という言葉だった。日本ではすっかり一般的に使われるようになった「テイクアウト」という言葉だが、オーストラリアではこれを「テイクアウェイ」という。既にある言い回し「テイクアウトする」を、こちらに来て「テイクアウェイする」という言葉に置き換えるのは、全く新しい単語を取り入れるより自然なことであり、抵抗なく多くの人に取り入れられているようだ。

 同じように、テイクアウェイではなく店内で食べることを意味する「ダインインする」を使う人びともいた。このテイクアウェイとダインインは、英語では動詞と副詞や前置詞が結合して、動詞(take away/dine in)、または名詞や形容詞(takeaway/dine-in)として使われている言葉である。

 似たような例に「クリーンアップする(掃除する、奇麗にする)」「(ドリンク・ボトルなどを)フィルアップする(いっぱいにする)」、前回も触れた「ピックアップする(迎えに行く、受け取りに行く)」、そして「ドロップオフする(送り届ける)」という言葉も使用されている。





 「キャッチアップする(会う)」も、日本語ではなかなか直訳できない表現であるため、便利に使われているようだ。この言葉は、ただ誰かに会うというよりも、久しぶりに会って近況を伝え合い、しばらく会っていなかった間に相手がどうしていたかという情報に追いつく、といった意味合いを持つ。

 こういった動詞を副詞や前置詞に結合させたものの他にも、純粋な名詞形の単語に「~する」を付けるケースもある。日本で使われている一般的な例には「エントリーする」「ゴールする」などの言葉があるが、やはり語数は少ない。

 ゴールドコーストの調査では「仕事は、現在コンストラクション(建築の仕事)してます」という例が見つかった。これは、「サラリーマンしてます」といった用法と同じように「コンストラクション(の仕事を)して(い)ます」の省略形だ。

 そして日本でも語数の少ない、「アヘッド」などの英語の副詞に「~する」を付けるケース、更に形容詞に「~する」を付けるケースは見つかるのかどうか、そして「ググる」「メモる」のように「~する」の代わりに「~る」を付ける言葉があるのかどうかが、今とても気になっている。

プロフィル

ランス陽子

フォトグラファー/ライター、博士(美術)。現在、グリフィス大学の大学院でオーストラリアの日本人コミュニティーにおける日本語変種を研究中。ゴールドコーストでの調査を手始めに、今後はオーストラリア各地での調査を予定している。在豪日本人が使用している面白い言葉についての情報を募集中。情報やメッセージはFBコメント欄かFBメッセージまで。「オーストラリア弁を探せ!プロジェクト」
(Web:www.facebook.com/JapaneseVariationInAUS

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