深夜、外堀通り沿いに停車するチェッカー・キャブのタクシー。
東京のタクシーは夜の街でも色鮮やかだ。
黄色の車体の日本交通グループ、緑色の東京無線、朱色のチェッカー・キャブ。
街に佇むだけで本当に可愛くてついついカメラを向けてしまう。
しかし日本交通グループの黄色いセダン、数年前から黒いワゴン・タイプの車種に置き換えられ、今は1台も街を走っていないそう。
実際ここ数年で車体の黒いタクシーが一気に増えたな、という印象。
街に彩りを添えてくれていた東京のタクシーの台数と比例して
私のカラフル・タクシー写真の記録が減っていく時代の流れを感じ、
少しセンチメンタルになった1枚。
このコラムの著者
足達奈穂 Nao Ashidachi
ドイツ生まれ。幼少時代の多くを海外で過ごし、結婚後は夫の海外赴任に伴い2018年から21年初頭までシドニーに在住。14年ごろから東京のストリート・スナップを撮り始め、写真家デビュー。東京の街を舞台にした写真集『boys in tokyo sentimental』を刊行中。現在、東京メトロ×AND STORYの地下鉄車内用広告写真を手掛けている。
WEB: www.naoashidachi.com