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「ウーリー」「トローリー」「パークする」? スーパーマーケットに関するカタカナ語 在豪日本人が使う新語?/オーストラリア弁(新方言)を探せ 第18回

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 豪州に住む日本人同士の会話では、スーパーマーケットに関わる単語も、日頃から利用頻度の高いカタカナ語として、英語からの借用が起こりやすい。

 まずは大手スーパーマーケットの「ウールワース(Woolworths)」。こちらは豪州英語での愛称「Woolies(ウリーズ)」を日本語流に少々変更した「ウーリー」という名称を使う人が多い。日本人にとって発音しにくいWの音は日本語の「ウ」の音となり、更にそれを長音の「ウー」という音に変化させている。原語にある最後の複数のs/esの音は、「Sunglasses→サングラス」など、日本語に取り入れる時には消えてしまうことも多い。

 またこのスーパーの名称には、豪州在住の日本人同士でしか使用しない、全く新しい単語である「ワース」という単語を好んで使う人もいるようだ。このような略語は「アルバイト→バイト」「インターネット→ネット」などと同じようなパターンの前省略型の短縮語である。

 そして、日本語ではショッピング・カートと呼ばれることの多い「トローリー」。この言葉には若干の表現の揺れがあり、「トロリー」と表記しているブログなども見られた。

 コロナ禍以降、スーパーの入口に必ず設置されている「手指消毒液」は、ここ数年で頻繁に使用されるようになった言葉だ。コロナ禍に日本に滞在していなかった在豪日本人にとっては英語の「sanitiser」という言葉の方がなじみがあるからか、それともカタカナ語の方が言いやすいからか、「手指消毒液」よりも「サニタイザー」という言葉を使う人の方が多いようである。

 最近はエコを推進して紙製品を使う店舗も増えたが、ビニール袋は「プラスティック・バッグ(plastic bags)」、買い物かごはもちろん「バスケット」、そしてレジは「キャッシャー(casher)」となる。レジでクレジット・カードや銀行カードから支払う時の機械は「エフトポス(EFTPOS)」、買い物の支払いと同時に現金を引き出す行為は「キャッシュ・アウト(cash out)」。

 そして駐車場は「カー・パーク(car park)」、車を停める時には「パークする(park)」という、英語の動詞を日本語に取り入れる人もいるようだ。

プロフィル

ランス陽子

フォトグラファー/ライター、博士(美術)。現在、グリフィス大学の大学院でオーストラリアの日本人コミュニティーにおける日本語変種を研究中。ゴールドコーストでの調査を手始めに、今後はオーストラリア各地での調査を予定している。在豪日本人が使用している面白い言葉についての情報を募集中。情報やメッセージはFBコメント欄かFBメッセージまで。「オーストラリア弁を探せ!プロジェクト」
(Web:www.facebook.com/JapaneseVariationInAUS

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