検索
Close this search box.
検索
Close this search box.

情熱/日豪フットボール新時代 第137回

SHARE
今季は主将として常にチームを引っ張った(本人提供)

 9月某日、「バングラデシュに来月から戻ります」とスマホにメッセージが届いた。その送り主の名は、永田羽竜(29)。これまで多くのフットボーラーに会ってきたが、永田ほど誰もが口をそろえてその人間性を褒める選手はそうはいない。ジュニア・ユースから一貫して主将を務めてきたというのもさもありなん。現所属ロッチデール・ローヴァーズ(NPL/QLD州1部、以下「ロッチデール」)では、センター・バックで主将。試合前はロッカー・ルームで、試合中はピッチ上で母国語ではない英語でチームを鼓舞し続けた。

 そんな永田がブリスベンの地を踏んだのは7年前、大学4年生の卒業直前だった。その時にチャンスを得たのが現所属のロッチデール。同クラブでの2年を含む彼の“豪州第1章”は、QLD州内での通算3年で幕を閉じた。





 その後、次なる挑戦の舞台となったのがバングラデシュ。縁あって首都ダッカの強豪モハメダンに移籍のチャンスをつかんだ。「だめな人は絶対にだめでしょうね」。本人いわく「あらゆるネタの宝庫」という日本とも豪州ともかけ離れたバングラデシュでのエピソードは、彼の公式ブログに譲ろう。「そんな環境でも苦にならなかった」という永田は、けがとコロナに苦しみながらもプロとして濃密な3年を過ごした。

 前十字靭帯断裂の大けがで帰国後、けがが癒えてからは再びブリスベンに戻っての“豪州第2章”。NPLに昇格した古巣ロッチデールに今季から復帰、降格も危ぶまれたシーズンを主将として戦い抜き、大方の予想を覆して残留へといた。

 その永田が、前回在籍時に未達の“リーグ優勝”という大目標のために古巣モハメダンに請われてバングラデシュに戻る。プロとしてやり抜きたい――。そんな熱い思いを抱いて、9月末に豪州を離れ“バングラ第2章”をスタートさせる。その人間性やプレー・スタイルにしっかりと宿る情熱を持ってすれば、今回こそは目標達成。そんな気がする。

植松久隆(タカ植松)

植松久隆(タカ植松)

ライター、タカの呟き「永田のブログは、某有名ブログ・プラットフォームのサッカー選手ランキングで頻繁に上位に顔を出す。周りは誰もが知るような有名選手の名前ばかりの中で、2017年以来、地道な発信を続けてきた永田のブログが大いに読まれているのは、まさに“継続は力なり”を証明している」





SHARE
Google Adsense