Q:今年からキンディーに入学しました。子どもの学校にはプールがないのですが、日本の小学校のような水泳の授業はないのでしょうか?
日本とは違いますが、オーストラリアの学校でも水泳の授業はあります。3、4学期になると水泳の授業のお知らせが学校から届いて、水着やタオルなどを持参するように指示されます。
オーストラリアは競技水泳が強い国ですから、学校でもレッスンが盛んなイメージがありますね。しかし、オーストラリアのほとんどの学校にはプールがありません。日本の学校には必ずと言えるほどプールがあるので、多くの保護者は不思議に思うことでしょう。
プールを維持するには莫大な費用が掛かるため、学校にプールがないのはそれが理由だと思われます。プールがない分、外部の施設を使うことで費用の節約ができます。最近は日本でも、改修時にプールを作らない学校もあるそうです。
子どもたちは、学年やクラスごとに年間10日間(2週間毎日)の水泳プログラムをこなすため、バスに乗って近くの公共プールへ行きます。プログラムを行うに当たり、事前に保護者に子どもの水泳レベルや経験などを聞いてグループ分けされます。水に対してアレルギーや恐怖心のあるお子さんをお持ちの人は事前に先生に相談しましょう。
自宅やフラットにプールがあるご家庭も多いので、学校以外の場所で泳ぐ機会は日本より多いかもしれません。プログラムでは、そのような場面で泳ぐスキル、水辺の安全性と生存に関する基本的なスキルを教わります。プールや海に落ちた時を想定して、Tシャツを着たまま泳ぐというレッスンもあります。プールでは教える資格のある指導員によってレッスンが行われます。特別支援が必要なお子さんがいる学校では、グループの人数を少なくしたり、指導員を増やしたりしてレッスンが行われます。
レッスンは学校や学年によって、プログラム実施期間や時間が異なります。多くは1学期または4学期、春か夏に行われますが、秋や冬に行われる学校もあります。
子どもたちは水泳レッスンのある日は、家から水着を着てくるように指導されることが多いようです。スクール水着というものがないので手持ちの水着着用で大丈夫ですが、午前中に通常授業をして水泳レッスンは午後という場合、ワンピース・タイプの水着だとトイレが大変なので、上下セパレートの水着の方が良いかもしれません。
■参考ウェブ
School Sport Unit: About Swimming and water safety (nsw.gov.au)
回答
内野 尚子
在豪26年。デイケア、プリスクールAuthorizedSupervisor、補習校の教師兼代表を経て2007年UniversalKIDS設立。19年よりオンラインで保護者や教師向けのバイリンガル教育や子育てアドバイスも行なっている。
Web: universalkids.com.au