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家庭内で日本語を使用していると、日本語コンティニュアズ・コースを選択できない? HSC日本語の履修条件改定(再)/オーストラリア教育あれこれ

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Q: 来年10年生になる子どもがいます。HSCの科目を選択するにあたり、補習校に通っていたり家で日本語を使っていると「コンティニュアズ・コース」は選択できないと友人から聞きました。本当でしょうか? 家で使っている日本語は本当に簡単なもので、本人はほとんど日本語ができません。

 HSCの日本語選択には履修基準があります。HSC日本語コンティニュアズ・コースの履修にあたって、質問者が言われるように以前は家庭内で日本語を使用している場合、日本語力がなくてもコンティニュアズ・コースを取れないということがありました。また、両親の内、どちらかが日本人である場合も同じような判断をされていました。しかも、この判断が学校や教師によって違うという一貫性のない対応/判定で長い間、問題視されていました。

 この「教室外での当該言語の継続的な使用状況」という問題視されていた箇所が、2022年5月20日付けで削除され、22年ターム3から正式に適用となっています。しかし、全ハイスクールの全教師にこの事実が伝わっていないようです。もし以前のような判断をされた場合は、ぜひNESAのウェブサイトを確認するよう学校や先生にお伝えください。

 履修基準改訂の内容は以下の通りです。以前は日本語コンティニュアズ・コースの履修条件として以下の3つがありましたが、3番目の基準が削除されたのです。

1. 当該言語を指導言語として用いる学校で、小学校初年度(1年生)以降の正式教育を1年以上受けたことがないこと。 
2. 当該言語がコミュニケーションの手段である国において、過去10年間に3年以上在住していないこと。 
3. 当該該言語のバックグラウンドを持つ者との教室外での持続的なコミュニケーションに、当該言語を用いていないこと。 





 これまで、3の履修基準のために日本語を勉強することをあきらめざるを得ない生徒が相当数いました。保護者の母語である日本語を維持するためにご家庭などで努力していたことが報われなかったことも少なくありません。それが昨年の改定で、教室外で日本語を使っても生徒の能力によりコンティニュアズ・コースを履修できることになり、これらの問題が解消されたのです。もし、以前のような判断をされても堂々とこの事実を伝え、お子さん自身の実力に見合ったコースを選びましょう。

■NESA/コンティニュアズ・コース履修条件の改定点

Change to Stage 6 [Language] Continuers course eligibility criteria | NSW Government

回答

内野 尚子

在豪26年。デイケア、プリスクールAuthorizedSupervisor、補習校の教師兼代表を経て2007年UniversalKIDS設立。19年よりオンラインで保護者や教師向けのバイリンガル教育や子育てアドバイスも行なっている。
Web: universalkids.com.au

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