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投資物件の空室の心配がほとんどない「オーナーに有利な国、オーストラリア」ー2024年豪州不動産の動向/オーストラリア不動産の現状

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長期にわたり豪州不動産販売のアドバイスやサポートを手掛けるGIM Capital Professional Pty Ltdが豪州不動産市場の動向や情報を分かりやすく解説。


 明けましておめでとうございます。本年も「気になる豪州不動産の動向」や「豪州不動産が昨今注目され評価を得ている理由」など、皆様のお役に立つ情報をお届けできるよう尽力して参ります。

コロナ収束後の経済発展・人口増加とその影響

 2024年の干支「甲辰(きのえ・たつ)」は「出世」や「権力」など成功や成就をなす年とのこと。「富や財運、幸運」が訪れるとも言われ、期待が高まります。良い年にしたいものですね。新型コロナウイルス感染症拡大による経済・社会不安が明け、昨年上半期からの並みいる外国人流入で豪州は潤いつつあります。その反面、住宅不足は顕著となり昨年後半から空室率は1%前後と家賃も急上昇。賃貸を続ける人びとにとっては、インフレからの生活費高騰と共に厳しい生活状況を強いられます。コロナ期によるリモートワークの普及で地方でも土地価格が上昇、それが一旦落ち着き、都心への人口集中型に戻りつつあります。

オーナーに有利な国として徐々に日本でも認知されつつあるオーストラリア

 日本人にとって、オーストラリアと日本の不動産状況はあからさまに異なるために、理解が遅れてしまうことがあります。それは「テナントに有利な日本」と「オーナーに有利なオーストラリア」という対比があり、あまりの差があるからではないでしょうか。日本は木造家屋が多いのですが、オーストラリアは頑強なレンガ造りの住宅が主流で不動産の資産価値が安定し、経年でも価格や価値が上がりがちでキャピタルゲイン」をねらえる国です。更に、1年や半年契約で空室の心配がほとんどなく堅実な不労収入としての「インカムゲイン」も基本的には望める「ダブルベネフィット」が実現できる法的国家、先進国として少しずつ日本の投資家にも認知が広がりつつあります。

 NHKやその他民放など日本の報道でオーストラリアの賃金が高いという情報が発信されたそうです。その延長として「物価が高い」「暮らしの質が良い」「不動産が安定的であり、人口が減る国・日本とは異なる」と分析されている訳です。時代を客観視すると国際的に建設費用は高まりつつあり、日本でも、東京他都心部は高層住宅などがその価格を上げつつあるようです。それならば、人口も自然増加(死者数よりも出生数が多い)、海外からの流入人口の多さ、都市集中が顕著であるオーストラリアは、その価値の増大が認知されるのも、もっともであると思われます。需要の増大に反して、賃貸物件が明らかに足りていないという状況は、間違いなくオーナーの立場を有利にしています。

金利上昇と民衆の心理状況

 では今は、そのオーナーになるべく、オーストラリア国内の投資家は積極的に不動産を購入している時期でしょうか? むしろ、政府による法定金利の上昇により「買い渋り・買い控え」状況が見られるのが現在の状況です。なぜ高金利を敬遠するのかというとコロナ禍の時期に政府が下した低い法定金利による利率を覚えており、もしくはその時の利率の想定で購入してしまったことで、無理な資金繰りの状態で自宅もしくは投資物件の売却をしなくてはと焦る不動産オーナーさえもいるようです。しかし、もともとオーストラリアの金利は、マイナス金利とも呼ばれてる日本のような低い状況にあったわけではなく、歴史的観点から見れば現在が高すぎるとも言えません。また、「買い控え」を起こす心理として、過去数十年の不動産価格を覚えていることも原因の1つでしょう。20年前は今の6分の1の価格だった、40年前はもっと安かった、と比較すれば切りがありませんが、確かに以前は人口が少なく、国土が広いこともあり、不動産価格は現在と比べると雲泥の差です。タイムマシーンに乗れたら、あの頃、あの家をと空想するだけなら楽しいですが、現実として過去に戻るのは無理があります。

コロナの傷跡は完全に消えているのか?

 街でマスクをしている人びとの姿はコロナ蔓延時期とは異なり、かなり少なくなりました。以前はあれほど、神経質になっていたワクチン接種や消毒、うがいなどの習慣もコロナ禍以前とは同じとまではいかなくとも、街に平和が戻り、レストランや商業施設のにぎわいもむしろ前以上になったエリアもあるほどです。とはいえ、不動産業界は地域によって明暗が分かれました。国際便の行き来が少なく、感染拡大によるロックダウンは1日もなかったゴールドコーストの人気は、そのライフスタイルの魅力、5年前にオーストラリア第3の都市ブリスベンとの公共交通機関が結合した効果があり、右肩上がりの一方です。逆にロックダウン200日を記録したメルボルンは、シドニーを抜き、都市人口がオーストラリア最大になったにも関わらず、新築価格が低めのままで停滞しています。地域の戸建住宅は各都市上昇しましたが、都心部は各都市、格差があります。同じNSW州であっても街ごとに違いがあるため、注意してご自身の生活圏内での地域差を客観視して将来性のある場所で、安心できる生活設計をするのも良いと思います。

暮らしと現実と将来設計

 全ての人が必要なもの、それは「住まい」です。それは賃貸であっても、シェアハウスであっても、理想のマイホームであっても同様。必ず人には何らかの形での住宅が必要です。「富と幸運」が象徴のドラゴン・イヤーの今年、新年に堅実で安定的な住まいの確保を長期的な観点で考えてみるのも良いのではないでしょうか。ブーム時に高値で購入するよりも、今のように買い控えによる底値に近い時期で売り手が苦難している時期が買い時でもあります。信頼できる専門家の意見を参考にして無理のない購入計画で将来性のある地域や物件を資産として手に入れて欲しいものです。

鶴美枝

鶴美枝

グローバル・インテリジェンス・マネージメント代表。創業2010年以来、豪州各地の優良不動産を厳選し、豪州及び日本在住のホーム・オーナー若しくは投資家の方々の購入をサポートし資産増幅、理想の住まいの確保に日々尽力中。日本と豪州にて法学部大学院卒業。豪州不動産フルライセンス保持

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