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2024 日本国首相ほか政府要人より 新年の言葉

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KISHIDA Fumio
Prime Minister of Japan

日本国内閣総理大臣
岸田文雄

 オーストラリアにお住まいの日本人、日系人の皆様、令和6(2024)年の年頭に当たり、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 長引くロシアのウクライナ侵略に加え、中東で新たな危機が生じ、世界は戦後最も不透明かつ不安な時代を迎えていると言っても過言ではありません。食糧・エネルギー問題、感染症、気候変動などのグローバルな課題も、私たちの生活を直接脅かしています。

 先の見通せない時代にあって、岸田内閣は、「変化の流れを絶対に逃さない、掴み取る」という覚悟の下、コストカット型経済からの脱却、少子化対策やデジタル化、そして世界を分断・対立ではなく協調に導く外交に、力強く取り組みます。

 明治維新、戦後復興、高度成長。変化を「力」に変えれば大きな変革を実現できることは、日本の歴史が証明しています。世界各地でご活躍される皆様が、「明日は今日より良くなる」と信じられる時代を切り拓くため、皆様と手を携えて前進してまいります。

 昨年5月、G7議長国として広島でサミットを開催いたしました。G7首脳はもとより、ゼレンスキー大統領を含め世界各国首脳を被爆地広島にお迎えし、「核兵器のない世界」に向けて取り組んでいく決意を改めて共有しました。首脳会談を行ったブラジルのルーラ大統領からは、日系社会に対して大変敬意を有している旨の発言がありました。世界各地において信頼と尊敬を勝ち得てこられた在留邦人・日系人の皆様のこれまでの歩みに、改めて思いを馳せ大きな感銘を受けるとともに、大変誇らしい気持ちになりました。

 在留邦人・日系人の皆様による日本の文化や魅力の発信、オーストラリアの方々との交流は、日本とオーストラリアとを結びつける絆をさらに強く、そして友好親善をより深化させることに貢献しています。これは世界を分断・対立ではなく協調に導くという日本の立場と一致するものです。在留邦人・日系人の皆様と政府とが手を取り合い、ともに両国の友好関係の促進を進めていくことができればと思いますので、引き続き、お力添えをいだけますよう、よろしくお願い申し上げます。

 最後に、皆様の御健勝と御多幸、そして一層の御活躍を心から祈念いたしまして、新年の御挨拶とさせていただきます。

令和6(2024)年 元旦
内閣総理大臣 岸田 文雄
(提供:内閣広報室)



KAMIKAWA Yoko
Minister of Foreign Affairs of Japan

日本国外務大臣
上川陽子

 昨年9月に外務大臣を拝命しました上川陽子です。令和6(2024)年の年頭に当たり、オーストラリアにお住まいの在留邦人・日系人の皆様に、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。

 日本はこれまで、相手国の社会、文化、歴史の多様性を尊重し、対話を重ね、地域の国々に寄り添ったきめ細かな外交を進めることで、国際社会の中で信頼を築いてまいりました。そこには常に、世界各地で御活躍される在留邦人・日系人の皆様の献身的な貢献がありました。

 私の座右の銘は「鵬程万里」、高い理想を掲げて遠くを見つめるというものです。外務大臣として、世界の信頼・期待に応える日本の姿を更なる高みに引き上げるべく、①日本の国益をしっかりと守る、②日本の存在感を高めていく、③国民の皆様からの声に耳を傾け、国民に理解され、支持される外交を展開するという3点を重視しながら、歴史の転換点にある日本外交の指揮を執ってまいります。

 昨年10月、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う中断を経て、4年ぶりに対面で第63回海外日系人大会が開催されました。多くの日系人の方々と直接交流する機会を頂き、日系社会との連携強化の重要性を改めて実感いたしました。日本と各国の人的往来もコロナ以前の水準に回復しつつあり、日本とオーストラリアとの間の交流がますます深まるものと思います。外務省といたしましても、両国のつながりがより強いものとなるよう、全力で取り組んでまいります。オーストラリアにお住まいの皆様の存在は、日本文化の発信者、民間交流の担い手として、重要な鍵を握ります。まさに、在留邦人・日系人の皆様と外務省とが両輪となって二国間の友好をさらに促進することができるよう、各種事業等を通じてサポートしてまいります。

 最後に、本年の干支である龍が高い理想に向かって昇ってゆくが如く、皆様にとりまして力強く輝く一年となりますよう、皆様の御多幸と一層の御繁栄を心から祈念し、新年の御挨拶といたします。

令和6(2024)年 元旦
外務大臣 上川 陽子
(提供:外務省)



SUZUKI Kazuhiro
Ambassador of Japan to Australia

在オーストラリア日本国大使
鈴木量博

 新年明けましておめでとうございます。昨年5月に駐豪日本国大使として着任し、豪州で初めての元旦を迎えました。太陽が輝く豪州での新年は新鮮で、日豪関係の促進に向け気持ちを新たにしています。

 昨年は、G7広島サミットや日米豪印首脳会合に際するアルバニージー首相の訪日(5月)が実現したほか、安全保障分野では、8月に発効した日豪円滑化協定を初適用して航空自衛隊F-35Aが豪州に飛来。私もダーウィンで同機を感慨深く出迎えました。

こうした協力を通じ、日豪が共に暮らすこの地域が平和で安定し繁栄するよう、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を推進していきます。

 経済分野でもハイレベルの往来を含む協力の進展がありました。西村康稔経済産業大臣の出席を得てメルボルンで開催された日豪経済合同委員会会議(10月)は、両国から730名近くが参加し、私自身にとってもビジネス界の生の声を聞かせていただく貴重な機会となりました。また、NSW、VIC、QLD各州及びNT準州への公式訪問やアデレード、パース訪問を通じて、日豪の未来に広がる関係発展の巨大なポテンシャルを肌で感じています。伝統的な資源分野に加えて、水素・アンモニアや重要鉱物、インフラ、宇宙・科学技術の分野など、新たなフロンティアにおける協力をビジネス界の皆さまと共に一層推進していきたいと考えています。

 日豪関係の礎は、常に両国間の市民レベルでの相互の理解と尊重、友情にあります。在留邦人約9万5,000人のお1人おひとりがその礎を支えていらっしゃることをしっかりと念頭に置き、領事サービスにも万全を期して参ります。

 ウクライナ情勢や中東情勢が国際秩序の根幹を揺るがす中、日豪両国の益々の連携が求められています。日豪関係の強化のため、本年も各地を精力的に回り、皆さまからのご示唆やご助言を賜りつつ、引き続き日本大使館一丸となって努力していきます。変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。



TOKUDA Shuichi
Consul-General of Japan in Sydney

在シドニー日本国総領事
德田修一

 新年おめでとうございます。

 今年も皆さまとともに無事に新しい年を迎えられることを喜ばしく思います。着任して1年3カ月が経過しました。昨2023年は、コロナ禍の中で蓄積していたエネルギーがさらに開花した1年であったように感じます。経済、学術・教育、文化、芸術、スポーツ、地域間交流など、様々な分野で、日本関連・日豪関係の多くの行事が行われました。裏千家の千玄室大宗匠の10年ぶりの訪問に同席でき光栄でした。両国の安全保障分野の協力深化に伴い、防衛省・自衛隊関係者の訪問も増えており、海上自衛隊護衛艦「しらぬい」のシドニー寄港もありました。地方自治体代表団の来訪も相次いでいます。私自身、様々な行事に進んで顔を出し、日本のプレゼンス、存在感を高めるよう-私にとっての最重要のミッションです-励んでいます。本年は、東京都とNSW州の姉妹友好都市関係樹立40周年、カウラ日本人捕虜集団脱走事件80周年にあたります。

 NSW州では、3月に州議会選挙が行われ、政権交替がありました。州政府・議会等との対話を重ねており、日本との関係を大切にするという姿勢は変わりません。NSW州及び北部準州でのビジネスが円滑に行われるよう、また在留邦人の皆さまが安心して暮らせるよう、必要な支援を行ってまいります。特に、住宅不足、エネルギー転換といった課題への対応において、日豪の協力が進むことを期待しています。

 世界に目を向けると、ウクライナや中東地域で紛争が継続・発生し、インド太平洋地域でも日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。そのような中にあって、豪州は日本にとり同志国連携の中核であり、本年も両国の連携・協力が増していくと期待されます。

 皆さまと一緒に日豪関係を盛り上げていきたく思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。本年が皆さまにとり素晴らしい1年となることをお祈り申し上げます。



SHIMADA Junji
Consul-General of Japan in Melbourne

在メルボルン日本国総領事
島田順二

  新年おめでとうございます。昨年はロシアのウクライナ軍事侵攻が長期化するなか、イスラエル・パレスチナ情勢も深刻化し、不安定な国際情勢が続いています。分断の深まる国際社会で、日豪両国は共通の価値観と、人と人とのつながりの下、引き続き強固な関係を築いています。

 昨年、両国首相は3度、両国外相も2度の対面会合を行い、地域の安定と外交及び防衛面における日豪間協力の一層の強化と、地域における同志国連携の中核として、引き続き両国の特別な戦略的パートナーシップを更に深化していくことを確認しました。

 当館管轄3州と日本とのビジネス関係では、第60回日豪経済合同委員会会議がメルボルンで昨年10月、開催されました。両国経済人など総勢730名近くが参加し、西村康稔経済産業大臣も出席し、脱炭素に向けた日豪戦略的協力など、日豪間の更なる経済関係の発展につき議論されました。

 姉妹都市関係では、昨年5月以降の入国制限緩和を受け、人的交流が活発となりました。昨年6月は愛知県安城市の学生らがホブソンズベイ市を35周年訪問(市長は10月訪問)。8月には備前市副市長と学生らがクレアギルバート市を訪問。同月、兵庫県猪名川町にはバララット市長団が35周年訪日。10月は岡山県知事団が提携30周年の南オーストラリア州を訪問。同月、メルボルン市と提携45周年の大阪市市長団がメルボルンを訪問。大阪・関西EXPOマスコットのミャクミャクも2025年EXPO開催広報のため同市を訪問しました。

 11月には焼津市市長らが同市姉妹都市のホバートを訪問し、岩手県奥州市市長団もグレーター・シェパトン市を訪問しました。本年は愛知県東海市がマセドン・レンジズ郡と提携10周年、岩手県奥州市とグレーター・シェパトン市が提携45周年を迎えます。本年も姉妹都市間における人的交流が活発に行われることを心より願っています。

 本年も当館は豪政府を始めとする日豪関係者、在留邦人の皆様と連携しながら、日豪関係の一層の強化に努力して参ります。引き続きご協力とご支援をよろしくお願いいたします。



GOMAKUBO Junji
Consul-General of Japan in Brisbane

在ブリスベン日本国総領事
胡摩窪淳志

 日豪プレス読者の皆様、明けましておめでとうございます。

 昨年4月末、QLD州の新型コロナの行動制限が完全に解除されほどなくしてというタイミングのよい状況で私は当地に着任しました。同州の人の移動や経済活動が再開した後、当地での日豪間の交流も以前にも増して拡大・深化しています。

 実際、昨年はパラシェ州首相をはじめとする州閣僚の訪日も相次ぎ、わが国への資源・エネルギー、食料供給の重要な一角を担う同州の役割と日本の投資への期待、それに応える日本企業のダイナミズムが見て取れました。

 また、一層厳しさを増す国際情勢の中で日豪の「特別な戦略的パートナーシップ」は着実に発展していますが、QLD州も米豪主催多国間共同訓練(タリスマンセーバー演習)やサザンジャッカルー演習の舞台となりました。ブリスベン郊外の豪軍基地には陸上自衛官リエゾンオフィサーも駐在しており、州レベルでも安全保障面での日豪関係の結びつきを実感しているところです。

 昨年は、私自身、タウンズビル、ケアンズ、更には日本人墓地のある木曜島を含む豪州極北地域に足を運び、そこでも日豪の絆を感じました。1896年に豪州で最初の日本国領事館がタウンズビルに開設されたように、QLD州は日豪関係のスターティング・ポイントす。今や日豪関係は、州や市レベルの様々な分野で交流が拡がる重層的な関係に支えられており、それが今年も更に深まっていくことを私は確信しています。

 豪州の在留邦人の3割、日本企業の4分の1を占めるQLD州において、商用や観光あるいは勉学で来訪される旅行者や留学生の方々も含めた十分な安全対策が施されるよう、当館は引き続き、QLD州警察当局とも日々緊密に連携し、皆様への必要な情報提供に努めて参ります。

 本年も皆様にとって素晴らしき年となりますよう、そして、日豪関係の更なる盛り上がりを期待し、新年のご挨拶とさせて頂きます。



NAITO Yasushi
Consul-General of Japan in Perth

在パース日本国総領事
内藤康司

 新年おめでとうございます。着任直後に岸田総理をパースにてお迎えし1年余りが経ちました。昨年は人的交流が大きく拡大した年となりました。

 数年に1度の西豪州首相の訪日が昨年は2度ありました。10月にANAパース・成田直行便が3年7カ月ぶりに再開し、初便での州首相・副首相の訪日も実現しました。

 姉妹都市や学生間交流も順調に再開し、パース日本祭りでは過去最大の1万6000人が参加、西豪州議会の日本友好議員連盟も発足しました。鉱業分野で世界第2位のカーティン大学には日本センターが設置され、西豪州・日豪協会が運営する西豪州日本教育文化センター(旧兵庫センター)も2月に始動する予定です。

 鉄鉱石とLNGをめぐる日豪連携は、両国の潜在性を引き出し、世界経済に大きく貢献した偉業です。資源エネルギーで豪州経済を牽引する西豪州には、日本との連携の成功体験をエネルギー転換でも活かしたいとの意識が強く、州政府や経済界との意思疎通を強化し、エネルギー安全保障や脱炭素化の協力に向けた努力を続けております。

 厳しさを増す国際情勢の中で安全保障上の豪州との関係は極めて重要です。広島でのG7首脳会議、クアッド首脳会議の進展を踏まえ、本年はインド洋を望むAUKUSの拠点パースにて、インド洋会議、インド洋安全保障会議等の会合が開催される予定です。更にJAXAによるアジア宇宙機関会議(APRSAF)も開催されます。

 こうした関係を支えているのは幅広い人と人との絆です。パース日本祭りで定住者を中心に「パース音頭」をつくり、盆踊りに参加する友好の輪が何重にも広がった様子は象徴的でした。当館は、西豪州で両国の架け橋として活躍される方々がその輝きを更に高められるよう引き続きモデレーターの役割を目指して行きます。また、在留邦人及び旅行者の方々が当地で安全かつ快適に過ごせるよう努力して参ります。

 本年が皆様にとり素晴らしい年となるようお祈り申し上げます。





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