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大坂なおみ、女王に復活なるか─テニス全豪オープン2024の見どころを解説

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大坂なおみ

 2024年グランドスラム(GS)の第1戦、テニス全豪オープンは、メルボルン市内、ヤラ川河畔のメルボルン・パークで1月14日~28日まで行われる。男子3強(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ)の時代が終わり、ジョコビッチ1強の時代がまだ続くのか? 混迷が続く女子だが、大坂なおみが女王に復活できるのか? など話題満載の同大会の見どころを、長年にわたり同大会を取材する日豪プレス記者・板屋雅博が解説する(順位は2024年1月1日)。

(文・写真=板屋雅博)

大坂なおみの復活に期待

 2019年と23年の全豪優勝を含む4度のGS優勝経験を持つ元世界1位の大坂なおみ(26歳)は、22年9月の東レ・パンパシフィック・オープンを最後に戦線離脱。その後に妊娠を発表し、23年7月に長女を出産した。全豪では2度の優勝を果たしており、そのチャーミングなスピーチで豪州での大坂なおみの人気は非常に高い。ビッグ・スターのトップ10復帰を望むファンは多い。

 1年数カ月に及ぶ離脱のために世界ランクは消滅しているが、ワイルド・カード(主催者推薦)により参加する。全豪の前哨戦となるブリスベン・オープンでは1回戦で勝利。2回戦では好敵手カロリナ・プリスコバ(39位、31歳、チェコ)に敗れたが、順調な滑り出しと言える。

 すぐに上位復帰は難しいと思われるが、人気者のセンター・コートでのはつらつとしたプレーやスピーチが楽しみである。

優勝候補筆頭はジョコビッチ、男子シングルス

ノバク・ジョコビッチ

 最も注目を集めるのは、グランドスラム(GS)で24回、全豪で10回と史上最高の優勝回数を誇るノバク・ジョコビッチ(1位、36歳、セルビア)である。年齢のため、多少、力は衰えたと言われるが、昨年も全豪、全仏、全米を制し、今年の全豪でも優勝候補筆頭は揺るがない。

 22年の全豪の際、コロナ禍で入国ビザを巡って悶着があったため批判的な意見もあるが、圧倒的な実力により豪州での人気も非常に高い。

ラファエル・ナダル

 GS優勝23回とジョコビッチに続く通算成績を誇るラファエル・ナダル(37歳、スペイン)は、前哨戦のブリスベン・オープンでは準々決勝まで進出したが、3時間26分の激闘の末に逆転負けした。その後、筋肉に断裂が見つかり、残念ながら全豪オープン出場は見送りとなった。

 GS優勝3回の実績を持つアンディ・マリー(42位、36歳、英国)も豪州で高い人気を誇り注目が集まる。

男子シングルスの注目選手は?

 カルロス・アルカラス(2位、20歳、スペイン)、ヤニック・シナー(4位、20歳、イタリア)、アレクサンダー・ズベレフ(7位、26歳、ドイツ)、ホルガー・ルーネ(8位、20歳、オランダ)などが注目される。

 カルロス・アルカラスは、22年の全米と23年の全英に優勝しており、スペイン勢としてナダルの後継者と目されている。アルカラスを筆頭に戦国時代か来るか? ジョコビッチ1強の時代が続くか? が焦点である。

男子シングルス出場の日本選手

西岡良仁

 西岡良仁(48位、28歳)は昨年の全豪では4回戦まで進出して世界ランクを大幅に上げており、全豪は縁起が良いGSである。昨年の全豪では、錦織圭以来となる第31シードとして出場し、3回戦に勝利してツアー通算100勝を飾った。GSベスト16入りしたのは松岡修造、錦織圭に次ぎ日本人男子では3人目となった。今年もベスト16以上をねらう。

 ダニエル太郎(75位、30歳)は昨年、世界4位の選手を破るなどの活躍を見せたが、全体としては伸びがなかった。22年全豪では3回戦、昨年は2回戦へ進出した。

 綿貫陽介(99位、25歳)は、23年全豪で予選を勝ち上がってGS本戦初出場を果たし、本戦1回戦では世界59位の選手を破ってGS初勝利を挙げている。全英でも1勝して、初の世界トップ100入りを果たし、全米でも初出場を果たした。注目の成長株である。

 その他、予選に出場を予定している望月慎太郎(135位、20歳)は、19年全英選手権で日本人男子選手として初めてジュニア部門シングルスで優勝した。GSでの経験は昨年の全仏と全米では予選敗退。全英では予選突破して本戦に初めて参戦した。期待の若手ホープだ。

 島袋将(149位、26歳)、清水悠太(211位、24歳)も予選出場を予定。錦織圭(34歳)は出場を予定していない。

男子シングルス出場の豪州選手

 アレックス・デミノー(12位、24歳)、アレクセイ・ポピリン(40位、24歳)、マックス・パーセル(45位、25歳)、ジョーダン・トンプソン(55位、29歳)、アレキサンダー・ブキッチ(62位、27歳)、タナシ・コキナキス(65位、27歳)、クリストファー・オコネル(68位、29歳)、リンキー・ヒジカタ(71位、22歳)、ジェイソン・クブラー(65位、30歳)が出場する。

 デミノーは、昨年の全豪と全米でベスト16へ進出している。12位とトップをねらえる位置で地元での優勝を目指している。

 リンキー・ヒジカタ(土方凛輝)はシドニー生まれで両親は日本人。昨年の全豪では2回戦に進出し、全米では4回戦に進出している若手のホープ。ヒジカタは昨年の男子ダブルスで優勝しており、地元豪州で注目されることは間違いない。

注目の女子シングルス選手は?

 イガ・シフィオンテク(1位、22歳、ポーランド)、アリナ・サバレンカ(2位、25歳、ベラルーシ)、ココ・ガウフ(3位、19歳、米国)、エレナ・ルバキナ(4位、24歳、カザフスタン)、オンス・ジャバー(6位、29歳、チュニジア)、マルケタ・ボンドロウソワ(7位、24歳、チェコ)が優勝の可能性が高い。

 昨年のGSでは、全豪をサバレンカ、全仏をシフィオンテク、全英をボンドロウソワ、全米をガウフが優勝している。トップ10の誰が優勝しても不思議ではない。

 ジャバーは、22年の全英と全米、23年の全英で準優勝している実力者。全豪で優勝すればアフリカ出身者として初のGS優勝になり、大きな注目を集める。

女子シングルス出場の日本選手は?

日比野菜緒

 本戦から出場は、ワイルド・カードの大坂なおみを除くと日比野菜緒(93位、29歳)のみであり、寂しい状況である。日比野は、15年の全豪から出場しているが、GS通算5勝と目立った活躍はしていない。キャリアも終盤だけに2回戦突破を目指したい。

 本玉真唯(119位、24歳)がワイルド・カードで本戦出場となった。22年全英でのGS本戦初出場を果たし、1勝している。今回が2回目のGS本戦出場であり1勝を目指す。

 予選に出場予定の選手には、内島萌夏(172位、22歳)、坂詰姫野(186位、22歳)がいる。共に若い選手であり、予選を勝ち抜いて本戦への出場を期待したい。

女子シングルス出場の豪州選手は?

 残念ながら100位以内の選手がなく、キンバリー・ビレル(115位、25歳)、オリビア・ガデツキ(124位、21歳)、テイラ・プレストン(208位、18歳)、ダリア・サビル(209位、29歳)がワイルド・カードで参加予定。

女子ダブルス出場の日本選手は?

 加藤未唯(ダブルス26位、29歳)に注目が集まる。昨年の全仏3回戦で、加藤が打ったボールが意図せずボール・ガールに当たり、失格処分を受けた。不可解な処分として世界中で大きな話題となった。

 続く全仏混合ダブルスでは、ドイツ選手と組んで優勝を果たした。ワーストとベストの両方を同じ大会で経験した選手として社会的にも注目を集めた。GS混合ダブルス優勝者としては、全仏で平木理化、柴原瑛菜、全英で三木龍喜、全米で杉山愛など史上5人目の快挙となった。

 加藤は、全仏と同じアルディラ・スーチャディ(ダブルス27位、28歳、インドネシア)とペアを組むが、判官びいきの全豪でも人気を集めることは間違いない。

 青山修子(ダブルス12位、36歳)、紫原瑛菜(ダブルス14位、25歳)も期待される。同ペアは昨年の全豪で準優勝を遂げており、トップ8組が参加するWTAファイナルズにも進出している。実力的には3人ともトップ集団にいるのでぜひ優勝を目指したい。

車いす出場の日本選手は?

 男子では小田凱人(1位、17歳)が出場する。昨年の全豪で準優勝、全仏、全英で優勝と、目覚ましい躍進を遂げた。23年1月に引退した国枝慎吾(GSシングルス優勝22回)の後継者として世界が注目している。今年の全豪でも優勝の可能性が一番高い本命選手である。

 女子では上地結衣(2位、24歳)が出場。過去GS8勝の実力者であるが、この3年間はディーデ・デ・グロート(1位、27歳、オランダ)に勝てない状況が続いている。デ・グロート対策は十分に練ってきているので、ぜひとも優勝を目指したい。





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