【訃報】ブレア照子氏──2008年外務大臣表彰受賞
本誌で『極楽とんぼの雑記帳』を連載


本誌で長年にわたり、コラム『極楽とんぼの雑記帳』を寄稿していた文筆家のブレア照子氏が1月10日、NSW州サウスコーストにある療養施設で亡くなった。
数年前に脳梗塞の発作を起こした後、同施設で闘病生活を送っていた。ブレア氏は1925年、広島市出身で45年に広島市内の自宅で被爆。第2次世界大戦後に知り合った豪軍人ウィリアム・ブレア氏と結婚し、53年に来豪した。
著書に本誌コラムで執筆していた自身の体験やオーストラリア人の夫と共に過ごした体験などをまとめた『オーストラリアに抱かれて』、英語でのコミュニケーションに奮闘した様子を描いたエッセイ『英語とんちんかん記』(両著共、テレビ朝日)がある。
ブレア氏は、同じく広島市で被爆した後、美術教師を経て82年にシドニーへ移住、広島の惨状、復興までを描き、日豪両国で平和教材として使われるようになった絵本『わたしのヒロシマ』を出版した絵本作家・森本順子氏(2017年9月に死去)の実姉にあたり、姉妹共に日豪双方の文化理解への促進に貢献したとして日本国外務大臣表彰を受賞している。