ダットン内相の発言にNZ政治家が激怒反論
ピーター・ダットン豪内相が、「犯罪者はクズとしてニュージーランドに送り返す」と発言したため、NZ国民が反発し、NZ外相がダットン発言に厳しく反論している。
ABC放送(電子版)が伝えた。
オーストラリアの法律で犯罪者を国籍国に強制送還することになっている。しかし、オーストラリアと互恵協定でニュージーランド(NZ)国籍のまま働き生活している家族の子供が成長して犯罪を犯した時にオーストラリアとNZとのどちらがその者を保護する義務を負うかで両国政府の間に対立がある。
NZ側ではナナイア・マフタ外相がダットン発言を批判した他、野党国民党議員も労働党政府に、オーストラリアに報復措置を取るよう要求している。
これまでもNZ政府は、「強制送還される者はNZに友人も身寄りもなく働き口もなく、何のつながりもない者だったり、人生のほとんどをオーストラリアで過ごし、すっかりオーストラリア人になりきっている者だ」として、オーストラリアの対策に抗議してきた。
マフタNZ外相は、「ダットンの発言はダットン自身の評価を引き下げるだけだ。オーストラリア政府は、オーストラリアで育った者をNZに送ることをどう考えているのかよく反省すべきだ。ダットン発言はまことにダットンの人柄をよく表している」と語っている。
また、NZ議会野党国民党のジュディス・コリンズ党首は、「ジャシンダ・アーダーン首相は、報復措置としてオーストラリア人犯罪者をオーストラリアに送り返すべきだ。NZは、オーストラリアで起きたことの後始末をする国ではない。オーストラリアが引き取るべき者もいる」と発言しており、暗にクライストチャーチのモスクで51人を射殺し、50人近い負傷者を出したオーストラリア人の極右テロリストがNZの刑務所で生涯服役する事態をほのめかしている。
クリス・ヒピキンズ大臣も、「オーストラリアもオーストラリア産のクズをNZに輸出してきた」と発言し、直ぐに、「クズなどというべきではないな。そんな言葉はダットンのような者だけが使う言葉だ」と発言している。
■ソース
Tensions erupt between New Zealand and Australia over controversial criminal deportations