パラシェイ州首相、モリソンの批判に反論
海外からの帰国者や入国者の14日間の隔離制度運営で連邦政府は全面的に州政府に預けているが、本来入出国管理は連邦政府の管掌分野であり、各州政府からは制度運営で批判だけはしてくるスコット・モリソン連邦政府に対する不満がしばしば噴き出している。
5月19日付ABC放送(電子版)は、QLD州政府と連邦政府の口論が続いていると伝えている。
アナスタシア・パラシェイQLD州政府が、ブリスベン国際空港到着の海外からの渡航者を隔離する専用施設をブリスベン西方のトゥーンバ市付近に提案したのに対して、スコット・モリソン連邦首相が、「パラシェイ案は細部に欠ける現実性に乏しいものだ」と批判した。
これに対してパラシェイQLD州首相は、「連邦政府は一部を抜き出して批判しているだけだ。帰国者の隔離問題は連邦政府が考えなければならないことではないか」と反批判している。
2021年初頭、地域の富豪、ワグナーズの建設会社は、現在、州政府の運営するホテル隔離制度にのしかかっている重圧を取り除くために、トゥーンバ市西部の自家用空港、ウェルキャンプ空港に1,000室の専用隔離施設建設を提案した。
しかし、今週初めになって、モリソン連邦首相が、「その提案は現実性がない」と片付けたため、パラシェイQLD州首相が、「州民は、ホテル隔離制度をめぐる政治的な口論にうんざりしている。QLD州の市民は、都市圏から離れた地域に隔離施設を建設する案を支持している。モリソン首相はQLD州に来て市民と話してみてはどうか?」と反論している。
さらに、「州民は連邦と州の口論にうんざりしている。人々は、連邦政府が州政府と協力して事態にあたることを望んでいる。今後も州の提案を連邦に出していく」と発言している。
モリソン政権は、ワグナーズの専用隔離施設建設案を知らされていたが、今週になって、「現実性に乏しい。詳細が分からなければ真剣に取り上げることもできない」と批判していた。
これに対して、パラシェイ州首相は、「モリソン首相の事務室にはすでに計画の詳細な内容を送っている。問題は、国際線乗客を現在の国際空港から自家用のウェルキャンプ空港に運ぶことに同意するかどうかだけだ。首相の職員が首相に計画の詳細を知らせていないだけかも知れない」と語っている。
■ソース
Annastacia Palaszczuk says Prime Minister ‘doesn’t need more detail’ on Wellcamp Airport COVID quarantine proposal