南氷洋の寒波、オーストラリア南東部を覆う
6月10日、南氷洋の冷えた空気が大陸南東部を覆っており、VIC州では各地に洪水をもたらし、死者も1人出ている。一方、NSW州中西部では大雪が降り、シドニーは25年ぶりの寒さで体感温度はさらに冷え込んでいた。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。
州中西部では、オレンジ市で大雪が降り、気象庁(BoM)のヘレン・リード予報官は、「これほどの冷え込みは過去25年ほどなかった」と語っている。
南氷洋の冷えた空気の塊がSA州の南から北に張り出し、大陸南部を覆って非常にゆっくりと東に移動しているが、今回はあまりにもゆっくりと移動していることから冷え込みが続いている。リード予報官は、「しかも大気の湿りかが十分にあるため、この冷え込みがNSW州の一部で雪に変わった」と語っている。
NSW州の州中西部ではオレンジ、中部高原地帯ではオベロン、ブルーマウンテンではブラックヒースなどで大雪が降った。
また、州中西部ではいくつかの道路が雪や凍結のために閉鎖され、不要不急のドライブは避けるよう呼びかけが出ている。
この気象条件で、オーストラリア・アルプス地域のスキー場でも6月9日夜から10日朝にかけて大雪が降り、ペリッシャーでは50cmほどの積雪があった。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)系の気象サービス、「ウェザーゾーン」のグレアム・ブリッテン気象研究者は、「早朝にシドニー都市圏の空に厚く広がった雲のために冷え込みが続いている。シドニー都市圏中央部の気温は例年平均を6度ほど下回る寒さになっている。NSW州全域が同じような調子で、どこでも例年平均最高気温を6度から8度ほど下回っている」と語っている。
この南氷洋の寒冷湿潤な空気の塊のため、NSW、VIC両州では強風、大雨、雷雨、洪水、降雪、雹などが荒れた。また、10日にはバリントン・トップス、北部高原地帯など800mから900mほどの標高部でも降雪が見られた。
■ソース
Sydney set for coldest day in 25 years while regional NSW blanketed in snow