女性と新人、ヒンズー教徒起用で次期選挙狙う
6月12日付ABC放送(電子版)は、NSW州議会野党労働党がミンズ新党首の新影の内閣を発表したと伝えている。
ミンズ新党首は若手有望株と見られていたが、過去に2度、党首選で、マイケル・デーリー元党首、ジョディ・マッケイ前党首に敗れていた。今回は対立候補のデーリー元党首が、「党の若返りを優先する」として、党首選候補を取り下げていた。
ミンズ新党首の下での新影の内閣では、追われるようにして党首を辞任したマッケイ前党首は、ミンズ党首の用意した要職を辞退している。一方、デーリー元党首は影の法務長官に任命されている。
内部対立とグラディス・ベレジクリアン保守連合政権の人気で支持率を下げてきた労働党は、ミンズ新党首の下で影の内閣には27人中女性議員13人、新人議員5人を選ぶなど新しい労働党のイメージを狙っている。
ミンズ党首は、「労働党は10年間野党の地位に甘んじてきたが、2023年3月25日の選挙で政権を獲得するため、このメンバーで前進する。この影の内閣はパンデミック終結後のNSW州に向けた陣容だ。このメンバーは州の再生であり、世代交代であり、この難しい時期にあってNSW州が必要とする多様性と政見の組み合わせだ。メンバーは様々なアイデアを持ち、政治的経験もあり、さらに何よりも重要なのはNSW州民の声を代表しているということだ」と語っている。
この新影の内閣組閣について、与党グラディス・ベレジクリアン保守連合NSW州政権のドミニク・ペロテット財相は、「優れた競り合いと強力な野党によって優れた政権が生まれる。そのことはとりもなおさずNSW州民の利益になる」と評している。
新人5人は、ティム・クラカンソープ議員は影の技能TAFE高等教育担当大臣、アノウラク・チャンティボン議員は影の金融産業貿易相、スティーブ・キャンパー議員は影の中小企業不動産多文化担当相、ローズ・ジャクソン議員は影の水資源住宅ホームレス問題担当相、コートニー・ヒューソス議員は影の規制改善革新担当相となっている。
プル・カー議員は副党首に任命された他、影の教育相を維持する。ポール・スカリー議員は影の計画相として州のインフラストラクチャを担当する。ヒンズー教徒としては初めてオーストラリア国内の議会で政党のフロント・ベンチに座るダニエル・ムーキー議員は影の財相に選ばれている。
ベテランのペニー・シャープ議員は、労働党が「血液検査義務化法」を支持したことに抗議して影の大臣を辞任していたが、今回影の環境相に任命された。ジョー・ヘイレン議員は影の運輸相に任命されている。
2023年選挙に向けて、ミンズ新党首は、「ベレジクリアン保守連合政権は人気が高いが、我々も政権の座に就く能力がある。どんなに保守的な州民でも政治で競争を期待しているはずであり、我々はそれを実現することができる」と抱負を語っている。
■ソース
NSW Labor leader Chris Minns pins election hopes on new faces as he announces shadow cabinet