ATAGIの会合でこれまでの50歳から引き上げ
6月17日、オーストラリア国内のワクチン専門家パネル、Australian Technical Advisory Group on Immunisation (ATAGI)の会合でアストラゼネカ・ワクチンの適用年齢下限をこれまでの50歳から60歳に引き上げることが決まった。
同日付ABC放送(電子版)が伝えた。
また、連邦政府はATAGIの勧告を受け入れ、今後、アストラゼネカ・ワクチンは60歳以上に限定して接種することになった。
オーストラリア国内では、アストラゼネカ・ワクチン接種がこれまでに380万回行われており、そのうち40人強が血小板減少症を伴う血栓症(TTS)を発症し、40代と50代の女性各1人が死亡している。
また、これまでは同ワクチン接種年齢下限を50歳としていたが、50代でもTTSを発症し、死者も出ていることからATAGIの会合で変更が決まった。また、今後、60歳未満にはファイザー・ワクチンが投与されることになった。
連邦政府のグレッグ・ハント保健相は、「直ちにファイザー・ワクチンを59歳以下のすべての人に適用する。50歳から59歳まででワクチン接種を済ませていない人口は約210万ほどにもなる。2021年末までには希望者全員の接種を済ませる予定に変更はない」と語っている。
ポール・ケリー連邦主席医務官は、「今後、60歳未満にはファイザー・ワクチンが接種されるが、50歳から59歳までの年齢層で既に1回目のアストラゼネカ・ワクチンを済ませ、血栓症を発症しなかった者は、2回目のアストラゼネカ・ワクチンも安全なので同じワクチンを受けるようにというこれまでのアドバイスは今後も変わらない。安心してアストラゼネカ・ワクチンを受けるように勧める」と発表している。
ブレンダン・マーフィ連邦保健省事務次官は、「この変更でワクチンをさらに躊躇する人が増える可能性もあるが、これまでの調査では、接種を望む人は70%にまで増えている」と語っている。
■ソース
AstraZeneca COVID vaccine use recommended for over 60s only following ATAGI meeting