NSW州シドニーの市中感染陽性者11人に

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アストラゼネカ問題で70歳以上40%未接種

 NSW州はシドニー東郊在住の国際線航空乗務員送迎リムジン運転手がアメリカからの航空乗務員から感染したコロナウイルス・デルタ株に感染し、感染力のある時期に各所に立ち寄っていたことから次第に感染者が増えている。

 一方、6月21日にはNSW州内の70歳以上の住民の40%ほどがまだ1回目の接種も済ませていないことが伝えられている。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙(SMH、電子版)が伝えた。

 また、多くのGPが、「アストラゼネカ・ワクチン接種の最低年齢を50歳から60歳に引き上げたため、接種迅速化が望めなくなった」と発言している。

 6月21日に開かれた連邦、州の首相と準州の主席大臣で構成される全国閣僚会議で、連邦政府が州、準州政府に対して、年内のワクチン供給状況を伝え、また、各州、準州には人口に応じた比率で配分すると確約した。

 6月20日午後8時までの24時間にシドニー北郊の50代の女性1人と東郊の30代の男性が陽性と判定され、いずれもすでに自己隔離に入っている。

 今回のクラスターの感染経路は目下3箇所に絞られており、一つは6月12日13日にウェストフィールド・ボンダイ・ジャンクションで起きており、同じ時期にボークルーズのBelle Cafeで無関係の客同士の間で感染が起きている。また、市南部テンピ地区の救世軍オプショップでは感染者が勤務している。

 現在、累積で659万強の接種が済んでおり、NSW州は190万回を数えている。しかし、50歳以上では43%、70歳以上では61%が1回または2回の接種を受けていることになるが、全国的な数字は50歳以上が48%、70歳以上は65%と、NSW州の接種率が全国接種率を下回っている。

 ポール・ケリー連邦主席医務官は、60歳以上の国民に2回目のアストラゼネカ・ワクチン接種を受けるよう呼びかけているが、Royal Australian College of GPsのシャーロット・ヘスピ会長は、「GPが50歳以上にアストラゼネカ・ワクチン接種を進めていたのに、突然、60歳以上限ると変更されたことでGPの接種作業が難しくなっている。しかも、60歳未満に接種するにもファイザー・ワクチンの供給が途絶えているのはまったく恥ずかしいことだ」と語っている。

 QLD州では、ホテル隔離中に感染した女性1人がブリスベン市内のいくつかの場所に立ち寄っていた後で陽性と判定された。また、VIC州では現在判明しているクラスターと関連して1人が市中感染陽性と判定されている。
■ソース
Two in five people aged over 70 yet to receive first vaccination as NSW outbreak grows

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