ワクチン諮問機関、成人にアストラゼネカ接種呼びかけ

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血栓症のリスクよりもウイルス感染のリスクが脅威に

 7月24日、ワクチン専門家諮問機関のAustralian Technical Advisory Group on Immunisation (ATAGI)が、「大シドニー地域のコロナウイルス・アウトブレーク拡大状況では、すべての成人が現在手に入るワクチンのアストラゼネカ・ワクチン接種を受けるよう強く勧める」と発表した。

 ABC放送(電子版)が伝えた。

 マイケル・キッド副主席医務官は、「コロナウイルス・デルタ株が若年層にも大きな被害をもたらす証拠が現れてきている」と語っており、また、大シドニー地域以外の地域ではアストラゼネカ・ワクチンは従来通り60歳以上を対象にすることとしている。

 同グループは、大シドニー地域の成人は60歳未満も含めて、他のワクチンが十分に出回るまで待つよりも、できるだけ早く、今あるワクチンの接種を受ける利益を考えるべきで、アストラゼネカ・ワクチンに伴うごくまれな副反応のリスクでさえも、デルタ株感染で予想される重症化よりもましだと発表している。

 NSW州では7月23日午後8時までの24時間に163人が陽性と判定されており、また、現在病院に収容されているコロナウイルス患者は139人、うち37人はICUで治療を受けている。

 また、ATAGIは、大シドニー地域の成人人口とは18歳以上60歳未満を含むとしている。

 キッド副主席医務官は、「60歳未満で入院が必要になる重症デルタ・コロナウイルス患者は初期の株よりもはるかに増えている。そのため、どのワクチンを選んでも免疫は強くなる」と語っている。

 これまで、スコット・モリソン連邦首相が、ATAGIに対して、「60歳未満にもアストラゼネカ・ワクチン接種をするよう説明を変えて欲しい」と圧力をかけ続けて来ており、ATAGIはこれに抵抗していた。

 先月、連邦政府が民間GPでの接種に関して免責を保証する制度を発表しており、それ以来、40歳未満の市民約4万人がアストラゼネカ・ワクチンを受けている。
■ソース
ATAGI urges all adult Sydneysiders to ‘strongly consider’ the AstraZeneca vaccine amid NSW COVID outbreak

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