全国閣僚会議コロナウイルス・ロックダウン解消に合意

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4段階計画でワクチン接種、集団免疫獲得へ

 8月6日付ABC放送(電子版)は、全国閣僚会議において、4段階計画を経て大多数の国民にコロナウイルス・ワクチン接種を完了し、集団免疫を獲得することでロックダウンと国境閉鎖を解消する戦略で合意があったことを伝えている。

 連邦、州首相、準州自治政府主席大臣らで構成する全国閣僚会議はオンライン・コンファレンスでこの問題について協議し、接種を推進することで集団免疫を獲得し、現在のようにロックダウンで陽性者ゼロを目指すことなく、市中にウイルスがあっても社会、経済が困難を来さない状況を実現し、ごく限定的な場合を除き、ロックダウンを避けること、また国境を開き、海外との人的交通や経済的通商を正常化する4段階計画で合意した。

 先週、スコット・モリソン連邦首相は、キャンベラの首相官邸、ザ・ロッジにおいて、この計画を明らかにしていたが、8月6日の会議で正式に州、準州の合意が得られたことになる。

 モリソン首相は、「全国接種率が70%に達した時点でコロナウイルス制圧のためのロックダウンを避け、第3段階で完全にロックダウン戦術を放棄する」と説明している。

 A段階は、「接種、準備、試験」と名付けられているが、現段階を指し、ウイルスの市中感染を最小限に抑える戦略を採用している。この段階ではアウトブレークが発生すれば早期に厳しく短いロックダウンを採用する。

 B段階に移るのは接種対象となる人口の70%以上が2回の接種を受けていることが条件になる。モリソン連邦首相は、オーストラリアでは2021年末までに70%の接種率は達成可能と発言している。

 B段階は、「ワクチン移行段階」と名付けられており、感染者の重症化、入院、死亡を最小限に抑えることが目標になり、接種済み市民に対してはロックダウンや国境閉鎖の規制が緩和される。この段階ではロックダウンは異常条件の場合にのみ重症化や死亡を防ぐために発令される。また、接種済みと未接種では海外渡航などの規制も差別化される。

 C段階は、「接種合同化段階」と名付けられており、完全接種率が80%に達した時点で始まる。この段階では学生、経済、人道などのビザ所持者の入国が大幅に認められるようになる。接種も3回目のブースター接種も実施され、接種者は国内規制がすべて免除され、海外からの帰国も自由になる。また、海外で同様の戦略を採用している国との間の旅行バブルを拡大する。

 D段階は、「最終ポスト接種段階」と名付けられており、できる限りコロナウイルス以前の社会への正常化が可能になる。

 ノーベル賞受賞者のピーター・ドハティ博士は、「何も確定できるものはないが、目標を定めることは重要だ。時間経過と共に常に変更していくことが重要だ。これはあくまでもモデル化であり、情報が集まればそれに応じて変更していかなければならない」と語っている。
■ソース
National Cabinet ‘fully agrees’ on plan to start saying goodbye to COVID-19 lockdowns. Here’s what it looks like

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