連邦政府、2021年分として1,000万用量を契約済み
8月9日付ABC放送(電子版)は、豪医薬品管理局(TGA)が、モデルナ社のコロナウイルス・ワクチンの国内使用を認可したと報道している。
記者会見に立ったスコット・モリソン連邦首相は、「TGAが、18歳以上の者へのモデルナ・ワクチン接種を暫定認可した」と発表した。
ただし、TGAは、「このワクチンを児童にも接種する治験の正式申請をモデルナ社から受け取っていない」と発表しており、モデルナ社は、オーストラリアで児童への接種の治験を申請する意思を明らかにしている。
連邦政府は以前にモデルナ・ワクチンを1,000万用量注文契約しており、そのうち100万用量が9月中に納入され、残りの900万用量も2021年中に納入される予定と発表している。
TGAのジョン・スケリット局長は、「モデルナ・ワクチンの認可を出したばかりだ。同社のワクチンはオーストラリア国内では4種目になる」と発表しており、これまでにアストラゼネカ、ファイザー、ジョンソン&ジョンソンのワクチンが認可を受けていた。
ジョンソン&ジョンソン・ワクチンは1回の接種で済むものだが、オーストラリアでは国内接種計画には組み込まれておらず、購入契約もされていない。
これまでもワクチン実用化を促進するため、医薬会社が第3相治験を終える前に暫定認可を出し、厳しい条件下でのワクチン使用が認められていた。ただし、このような措置は救命的な医薬として成功の見込みが大きい場合に限られており、この措置により、ワクチンの実用化が2年ほど短縮される。
モデルナ・ワクチンは18歳以上にのみ認可されているが、TGAでは、「思春期年齢への使用も調べたが特に問題は見られなかった」と発表している。
スケリット教授は、「海外でのモデルナ・ワクチンの実績は期待が持てる内容だ。6か月後でもコロナウイルス感染に対して93%の効力を保っており、重症化を防ぐ効力は98%、死亡を防ぐ効力は100%という結果が出ている。誰も水晶玉で未来を占うことはできないし、医学専門家でもいついつにブースター接種が必要になるなどと予告することはできない。しかし、6か月後にもそれほどの効力があるというのは期待の持てるデータだ」と語っている。
■ソース
Moderna’s COVID-19 vaccine approved with first million doses arriving next month