州首相「鉄の輪首都隔離体制は機能しない」と拒否
NSW州保健局は8月9日午後8時までの24時間のコロナウイルス検査で新たに356人を陽性と判定した。
8月10日付ABC放送(電子版)が伝えた。
また、グラディス・ベレジクリアン州首相は、「VIC州のロックダウンで大メルボルン都市圏を郡部と隔離し、往来を厳しく規制した『鉄の輪』隔離体制は機能しない」と同体制の導入を拒否した。
また、シドニー都市圏南西部リバプール病院の老人病棟・神経科病棟で働いていた職員が病院内で感染し、さらに他の患者、職員に広がったクラスターは、新たに80代の男女各1人、70代の男性1人が病院で亡くなり、これまでに患者6人が亡くなっている。3人はいずれも接種は受けていない。
ベレジクリアン州首相は、「カンタベリー=バンクスタン市域が依然として感染の中心になっており、陽性者もその市域で増えているが、他の自治体域では新陽性者発生数が平坦になり始めている。また、市民が保健局の規制をよく守っている地域では陽性者発生数が下り坂になっている」と語っている。
「鉄の輪」隔離体制について質問されたベレジクリアン州首相は、「少しでも機能すると認めれば実施する。しかし、カンタベリー=バンクスタウン市域を鉄の輪規制で隔離する方法は機能するとは考えていない。NSW州内のウイルスの広がりは、一つには規則を守らない人が多いこと、もう一つにはデルタ株がこれまでのタイプとはかなり異なっていることが挙げられる」として、導入を否定している。
州警察のギャリー・ウォーボイズ副長官は、「過去24時間に、州北部で車400台を停め、17件の違反通告書を発行した。また、数台は引き返させた。警察は、公衆衛生命令違反の取り締まりの手を緩めるつもりはない。一部の市民が悪いと知りつつ、公衆衛生命令に違反しており、自分達だけでなく、社会全体を危険にさらしている。NSW州の社会生活をできるだけ早く正常化するために努力している」と語った。
ケリー・チャント州主席医務官は、「ベクスリー地区のセント・ジョージ高齢者介護センターでは入居者8人のうち4人がコロナウイルス陽性と判定された。8人全員がワクチン接種を受けている」と発表している。
■ソース
NSW sets new record with 356 COVID-19 cases, three deaths