シドニー・アウトブレークに豪医薬品管理局長が発言
8月10日付ABC放送(電子版)は、豪医薬品管理局(TGA)のジョン・スケリット局長の発言を伝えている。
また、8月9日に国内使用が認可されたモデルナ・ワクチンについても、「遠からず十代人口にも接種を認可する見込みだ。TGAでは、アストラゼネカ・ワクチンもリスクよりも益の方がはるかに大きいと考えている」と語った。
さらに、ワクチンに関して「罵倒や脅迫の内容の電子メールがいくつも送られてくるが、一般社会の態度は変わってきており、接種を受け入れるようになってきている」と語った。
また、現在のシドニーのアウトブレークを大メルボルン都市圏で起きた2020年のコロナウイルス第二波と比較し、当時、メルボルンにはワクチンがなく、毎日大勢の死者が出た。シドニーもアストラゼネカ・ワクチンが出回っていなければ今頃は毎日10人を超える状態になっていただろう」と語っている。
アストラゼネカ・ワクチンと非常にまれな血栓症との関連が大きく取り沙汰されたため、連邦保健当局も60歳未満の人口に対してはファイザー・ワクチンを勧めているが、それも、大シドニー地域のように大規模なアウトブレークが起きている地域では、アストラゼネカも含めて出回っているワクチンのブランドを選ばずに接種を受けるよう勧告が出ている。
現在、毎週1,378,811人の接種が進んでおり、このペースではオーストラリアの成人人口全員の完全接種に近い4,000万回接種が達成できるのは2021年12月中旬と予想される。
モデルナ・ワクチンのティーンネージャへの接種について、スケリット准教授は、「12歳から17歳までの若年者を対象とするモデルナ・ワクチンの申請資料は現在TGAで審査しているが、大きな問題がない限り、モデルナ・ワクチンがオーストラリアに大量に入荷する頃には18歳未満への接種も認可されることと思うが、今すぐに言うことはできない」と語っている。
また、「今では接種会場に大勢の人の列ができるほどに受け入れられてきている」と語っている。
■ソース
AstraZeneca preventing dozens of COVID-19 deaths each day in NSW, TGA head says