地域助成金交付選定に腐敗調査委員会のメス
10月1日付ABC放送(電子版)は、州腐敗摘発独立調査委員会(ICAC)が、州政府の地域団体助成金交付にあたって交付を受ける地域団体選定にグラディス・ベレジクリアン州首相がどのように関与していたのか、また当時ワガワガ選挙区選出で、腐敗が明るみに出て辞職したダリル・マガイア州議会議員との個人的関係についても調査の対象とすることが明らかになり、ベレジクリアンNSW州首相は同日首相を辞任した。
この日、ベレジクリアン州首相は、「ICACの調査の対象になった上は州首相を辞任するしかない」と語った。
ベレジクリアン州首相は、2020年のICACの審理で証人喚問を受け、マガイア議員との男女関係を明らかにした。
ベレジクリアン氏に対する審理は10月18日より10日間ほどかけて行われ、「2012年から2018年にかけて、州首相の職権でいくつかの地域団体への助成金交付を決定したことが「背任行為」にあたるかどうか」が中心になる。
さらに、10月後半には、当時、ベレジクリアン氏が州首相という公職にあったことと、同氏がダリル・マガイア議員(当時)との間に男女関係があったこととの間に利害の抵触はなかったのかどうかが調査される。
ベレジクリアン氏は、「昨日(9月30日)午後、ICACの調査について知らされ、昨夜、熟慮した末に、州首相辞任という非常に難しい決断をした。この上は一刻も早く自由党が新しい党首を決めることだ」と語っている。
さらに、「パンデミックのさなかであり、この困難な状況で州を指揮していくために一刻も早くリーダーを決め、安定に導く必要がある」と語っている。
さらにベレジクリアン氏は、「議員辞職も考えており、補欠選挙を実施できるようになった段階で直ちに辞職するつもりだ。州政府はパンデミックに対応しなければならず、自分が政界にとどまっていれば支障を来す可能性もある。政界から一切身を引くつもりだ。自分は議員生活の間、一度たりとも汚職行為に加担したことはなく、常にできる限り清潔な政治家であることに努めてきた。唯一の悔いは、このパンデミックから脱出するまで州を率いることができなかったことだけだ」と語った。
次期自由党党首選は、ドミニク・ペロテット財相、ジョン・バリラロ副首相の間で争われることが予想される。
■ソース
Gladys Berejiklian resigns as NSW Premier after ICAC probe into her relationship with Daryl Maguire announced