課題は州郡部の接種率を州平均並みに
10月7日付ABC放送(電子版)は、QLD州政府のイベット・ダース保健相の発表として、同6日午後8時までの24時間にQLD州で国内感染新陽性者ゼロを記録したと伝えている。「国内感染」とあるのは、ホテル隔離中の海外帰国者や海外からの渡航者の陽性と区別するためで、ホテル隔離中の陽性者は陰性になるまで一般社会に解放されない。
ダース保健相は、「ホテル隔離者1人が新たに陽性と判定された。また、ケープ・ヨーク半島西海岸沖合のばら積み船「Imabari Queen」の船員5人が陽性と判定されている。ジャネット・ヤング主席医務官は、「QLD州保健局が船と連絡を取り、5人を船上で看病できるかどうかを調べている」と語った。
一方、保健当局は、この10日間に陽性と判定された数人のコロナウイルス・クラスターでまだ突き止められていない感染者が出ている可能性を懸念している。
また、ヤング主席医務官とダース保健相は、現在、QLD州の郡部でワクチン接種率がかなり低いままになっていることを懸念し、地域中心地を訪れて住民のワクチン接種を促進するよう計っている。7日には北部海岸地域のマッカイを訪れているが、マッカイを中心とする地域は特に接種率の低さが懸念されている。
ダース保健相は、「コロナウイルスはどの町にも市にも入り込むことができる。問題は、その時に住民がどれだけ備えができているかだ」と語っている。
また、感染症研究者は、「デルタ株がQLD州に広がるかどうかというような問題ではない。必ず広がるがいつ広がるかが問題だ。これまで、QLD州民は無事に過ごしてきたが、もし、今、ウイルスが州内に広がり始めたとしてどうやって防ぐことができるのか?」と語っている。
また、マッカイ地域カウンシルのグレッグ・ウィリアムソン首長は、「もう、住民にお願いするつもりはない。マッカイ地域住民がワクチン接種を受けるのはQLD州民としての義務だと言いたい。もし、住民が一人でも接種を受けなければ、州の医療従事者は重症の患者を選別し、治療するかしないか、どの患者に酸素吸入装置を着け、どの患者は見殺しにするのか、どの患者を死なせるのかという悲痛な任務を与えられることになる。現在、マッカイ地域の接種率は週平均よりも11%ポイント遅れている」と語っている。
ダース保健相は、「州の完全接種率が50%に近づいてきた」と発表している。
■ソース
Queensland records no new locally acquired COVID-19 cases as vaccination push heads to state’s north