値下がりの消費者還元を拒否する業者も
コロナウイルスで石油需要が激減しており、それに伴って国際的に石油価格が低下している。そのため、オーストラリア国内でもペトロール価格が1ドルを下回る給油所も現れている。しかし、中には石油価格のねさがりを消費者に還元しようとしない業者もいることが伝えられている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
3月19日の報道によると、シドニー都市圏西部では1リットル97セントの価格を掲げているところもあるが、たとえばキャンベラの場合、過去3週間に1%値下がりしただけに留まっている。
また、レギュラー無鉛燃料で一時96セントまで下げたところもあるが、国内の他の地域を見るとそれより60セント高いところも多い。
原油価格の値下がりの原因として2019年12月から始まったコロナウイルスの世界的な広がりに加え、サウジアラビアとロシアが対立しており、サウジアラビアが産油国に対して減産を要求したのに対してロシアがこれを拒絶したため、サウジアラビアが原油価格を引き下げる挙に出た。
メルボルンの投資専門家、エリオ・ダマト氏は、「給油所によって価格にこれほどの開きがあることは理屈が通らないと語っており、「メルボルン地域ではペトロール価格が$1.55から$1.60だがそれでも2002年以来なかった価格だ。消費者はペトロールの価格が1リットルあたり$1.50あたりが正常な価格だと思い込まされているのではないか。業者が大きな利ざやを稼ごうとしているのではないか。もちろん、この消費者社会では企業は利益を得なければならない。それは分かる。しかし、今現実にあるペトロール価格はまともじゃない」と語っている。
ドライバー団体、NRMAのピーター・コウリー氏は、「現在、アデレードでは1リットルあたり$1.08程度が平均的な価格だ。国内全体でそのくらいの水準になることを望んでいる。しかし、現行の燃料料金は余りにも高い」と語っている。
さらに、「ブリスベン、メルボルン、パースなど他の地域の州都ではペトロール価格は1リットルあたり$1.30で、下がるどころか値上がりし続けている」と語っている。
■ソース
Petrol stations fail to pass on fuel price cuts despite global oil prices falls due to coronavirus